新ちゃんの へらへら日記  


2010年4月〜2010年6月

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2010年4

(2010.4.2) 「感謝!一般席完売!」

 ありがとうございます! 5月21日の繁昌亭の落語会、一般席が完売となり、後はパイプ椅子の補助席になります。補助席は、2000円です。今のところ繁昌亭とチケットぴあには出しません。事務局か、ホームページのみ受付けます。実は、3月中に完売でした。こんなことは異例です。さん喬師匠、そして皆様のおかげです。お気持ち戴いて、願生ります!ありがとうございます!ありがたいかぎりです!


(2010.4.4) 「肉行こ!肉!」

 桂BN福師匠は、仕事が終わると「ちょっと肉(を食べに)行こ、肉行こ」と誘います。みんなが「焼き肉!!」と期待すると「吉野家やで」と関節をはずしてくれます。 私も「全品、じか」の高級寿司屋に行きます。もっとも、「時価」ではなく「じかに取る」回転するほうですが。

(2010.4.5) 「信じられない発言!」

 露の都師匠のお連れあい、Kさんから伺った話。検査入院をし、細胞をとる手術をしたのですが、時間が予想以上にかかったそうです。ようやく終わって、意識もうろうとしたまま、病室へ運ばれてきたKさんに、待ちくたびれた都師匠が一言「あんた!どこ行ってたんや!」看護師さんが驚いたそうです。そら驚きます。導尿といって、ちんちんにクダつながれてる身で、どこへ行けますねん!」

(2010.4.4) 「宮崎保さんからのメールです。」

 小倉の、もと願児我楽夢(がんじがらめ)の宮崎保さんからのお便りです。

私の友人が、「能行口説き」(北九州市指定無形民俗文化財)をCDに録音しました。彼や彼の被差別部落女性部・子ども会担当者が中心となり、小倉の被差別部落(ムラ)に伝わる「盆口説き」を後々まで残したく、CD制作になりました。
 「能行口説き」は天保年間に企救郡能行村を発祥の地とし、広く北九州一帯に伝わったと言われてます。そしてお盆には初盆の家の庭先で踊られていましたが、だんだんすたれてきました。口説き手が少なくなり、太鼓打ちもいなくなり「ムラ」の文化が伝承できなくなる事に危機感を持ち、彼らのCD制作になりました。
 おいちゃんやおばちゃんが集会所に集まり、初めての録音機材を前にして、「胸がドキドキ」「顔がポッポ」。しかし口説きが始まると、我を忘れて唄い・踊り・合いの手を入れる(ムラ)の人々の素敵な姿がそこにありました。
 厳しい部落差別を受けながらもなお、いきいき語り、生きているおいちゃんやおばちゃんの姿を見て、言葉に出せない感動をいただきました。【価格 1,500円】
宮ア 保


 購入連絡先は、個人情報になりますので掲載しておりません。メールでお問い合わせいただきましたら、折り返し連絡先をお知らせします。(MORI) 

(2010.4.12) 「みなみあめん坊さんから署名が届きました。」

  作家の、みなみあめん坊さんから、署名用紙が送られてきました。JR大阪駅の構内にあるギャラリー「セルヴィス」の閉館に反対する署名で、作家の五木寛之さんらと署名を集めているようです。私も協力しようと思います。(くわしくはこちらから)


(2010.4.13) 「香川、岡山のみなさんに朗報。」

 香川、岡山のみなさんに朗報です。桂こけ枝さんが、さん喬師匠を招き寄席をします。以下、こけ枝さんからの寄席詳細です。 どうぞよろしくお願いします。

 第8回「ふれあい寄席」
 日時 4月18日(日曜日)18時開演(開場17時30分)
 場所 香川県文化会館(高松高校東隣り)
 出演 柳家さん喬(2席)、桂こけ枝、林家市楼
 料金 前売り3000円(当日3500円)


(2010.4.14) 「久しぶりの尾道です!」

 一昨日から風邪気味です。喉や鼻が痛みます。久しぶりの尾道は、やはり美しいです!元気ならどれだけ楽しいことか。やはり健康が全ての基礎ですね。

 四十代の10年間、毎週のように広島へ来ていました。それこそ隅から隅まで、くまなく県内を回らせて戴きました。それがあの、世羅高校I校長先生の自死、日の丸・君が代法制化、それに伴う学校現場への締め付け、是正指導でばったり途絶えてしまいました。辰野という当時の県教育長は、解放運動、同和教育という観点からだけでなく、個人的にも迷惑をこうむりました。

尾道からフェリーに乗りました。

百島の西林寺様まで参ります。


(2010.4.15) 「補助席も完売しました。」

 ありがとうございます!5月21日(金)の繁昌亭夜席、「第二回露の新治寄席」。補助席も早々と完売です。まだ問い合わせや注文が来ます。ありがたいことですが、お断りするのも申し訳ない気持ちです。他の寄席もこんなんやったらありがたいですね。久米仙人寄席も好調です。

 それから、吉野温泉湯元「宝の家」の「宝寄席」は、7月17日(土)19:00からに決りました。アジサイの時期とずれてしまいましたが、どうぞよろしくお願いします

(2010.4.16) 「焼肉高橋で落語会『いかいの寄席』をします。」

 環状線桃谷(ももだに)駅を降りて、昔ながらのたたずまいにホッとする商店街を東へ。出た道が、その名も「疎開道路」。この角の喫茶店「ホワイト」は、亡き中田アップ師匠ゆかりののお店です。昔一度ここで、アップ師匠にお会いして刑務所慰問に誘われたことがあります。
 ここを右に曲がって勝山通りに向かってあるくこと1分、右側に「焼肉高橋」の看板が見えてきます。笑福亭鶴二さんと伺いました。実はこの三階にホールを作るので、寄席をしてほしいと頼まれての下見です。まだ大工さんがいそがしそうに作業をしておられました。こけら落としは、なんと新井英一ライブ! ホールの造りは、韓国(朝鮮)の古民家風。ここで韓国伝統茶も飲める形です。昔、高野雅夫さんを追っかけて韓国へ行ったとき、ソウルで夜一人ブラブラ歩いていて、韓国伝統茶のお店に入ったことがあります。はっきり言って口に合いませんでした。干した果物や餅(のような)を食べた後、せんじ薬のようなお茶を飲みました。体にはよさそうでした。
 今日は普通のお茶を戴きながら、鶴二さんとご主人の三人で、寄席の計画を話合いました。二人とも生野区出身です。これに笑福亭喬楽さん(桃谷出身で、高橋で肉を買っていました)と、生野区ゆかりの咄家でかためました。ゲストは、近所に住んでいる趙博さん。店に、趙博さんと笑福亭銀瓶さんのビビンパ寄席のチラシがあったので、それで決まるという、安易やけど、いい企画。・・というわけで、名称未定の「生野区の咄家による生野の寄席」が生まれます。
 寄席の名は『いかいの寄席』と決りました。今後、年に何回か定期的に開きます。どうぞよろしくお願いします。

 『いかいの寄席』
 日時 2010年7月31(土)14:00〜と18:00〜の2回公演
 会場 「焼肉高橋」3階ホール(名前がついている)
 出演 新治、鶴二、喬楽、飛梅、(ゲスト)趙博、(三味線)早川
 木戸 1500円(定数70人)

どうぞよろしくお願いします。

(2010.4.15) 「さかせがわ寄席。」

 兵庫県宝塚市の「さがせがわ寄席」。すばらしいホール、舞台です。お客さまも暖かく、盛り上がりました。

 番組は、「花色木綿」・露の紫、「兵庫舟」・露の吉次、「堪忍袋」・露の都、(お中入り)、「ちりとてちん」・新治、「胴切り」・露の慎悟。写真は、露の紫。


(2010.4.15) 「露のききょう奮闘公演!」

 露のききょうさんが、芸能生活30周年の記念公演をします。女優、落語家とマルチに活躍するききょうさん。多彩なゲストと共にお楽しみください。

 「OCC寄席」
 日時 2010年6月5日(土)14:00〜
 場所 大阪クリスチャンセンターOCCホール(大阪市中央区玉造)
 出演 露のききょう、林家笑丸、桂文鹿、森乃福郎
 木戸 前売り1500円。当日2000円
 主催 財団法人大阪クリスチャンセンター
以上、どうぞよろしくお願いします。



(2010.4.24) 「いい句を見つけました。」

 人は皆 死なじと思う 花吹雪  (島居哲)

 ほんまにそうですね。けど死ぬんです。死ぬまでは、生きてます。願生りましょう!


(2010.4.25)「吉本隆明の差別表現図書。」

 広島の江嶋修作先生からのお便りが届きました。吉本隆明といえば、日本でも有数の知性ですが、差別意識はまた別ものだと分かりました。ひどい話です。関心をお寄せください。以下、江嶋先生のお便りです。

 吉本隆明『老いの超え方』朝日新聞社への批判文を、『語る かたる トーク』に何回かに分けて書いていきます。みなさんには、是非目を通した上でご教示ください。
        解放社会学研究所  江嶋 修作

江嶋修作先生の批判文は、こちらをご覧ください。


(2010.4.26) 「春團治まつり。」

 大阪府池田市、受楽寺。春團治の碑。昨日は碑前法要があり、列席しました。そのあとは、石橋駅前や、アゼリアホールで一日いろんな催しがありました。私は法要だけで失礼しましたが、池田の春團治まつりは、もうすっかり地域のお祭りとして定着しました。



2010年5月

(2010.5.1) 「思いこみ。」

 今日はメーデーです。奈良の統一メーデーの総合司会をしたのも、昔のことになってしまいました。仕事で奈良まで出ようと、近鉄電車に乗りました。大和西大寺でどっと人が降りる。「やっぱり、遷都1300年は、えらい人気やなあ。みんな平城京へ行くんやなあ!」と感心してると、車内は私一人に。車庫入りの車内で、一人感心してたことがわかりました!

(2010.5.5) 「5月8日のチラシ。」

 一月遅れの花まつり。インディと「今年は花見が二回できるね」と喜んで北海道に来ましたが、なんと「まだ咲いていない!」とのこと。せめて、笑顔の花を咲かせたいもの。願生!


     「5月9日夜席のチラシ。」

 廣隆寺様作成のチラシ。お寺で落語。笑顔で楽しく! ありがたい!

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(2010.5.6) 「第二回高田御坊寄席」

 10月15日(金)の奈良県大和高田市、高田御坊・専立寺(せんりゅうじ)出演は、「新治、桂しん吉(落語)、インディ(歌)、千田やすし(腹話術)」。今、桂しん吉に出演依頼の電話して、だらだらと話していたら、最後になって「今、カナダにいてますねん」 「それをはよ言わんかい」。あわてて電話を切りましたが、咄家も国際的になったものです! ちなみに、腹話術界のカリスマ(なんでも借りて済ますから、かりすま!)千田やすし師匠は、家で障子の張り替えをしてました。粋やねえ。


(2010.5.8) 「日本は広い!」

 日本は広い。さすがは北海道。札幌は昨日が、なんと開花宣言!そして、なんと、なんと、こちらは明日が梅まつり!!おまけに、その梅がまだ咲いてないらしい。今日は、岩見沢市阿弥陀寺様で、市内仏教会の花まつり。今日が花まつりで、明日が梅まつり。どないなってんのか? 「普通」という言葉の危うさを感じています。


     「道はただただ真っ直ぐ!」

 岩見沢市、阿弥陀寺での仏教会「花まつり」、よく笑って戴きました。千歳に向かっています。


(2010.5.9) 「願生っています!」
 北海道らしい風景を送ります。瓦屋根がありません。
「私の心は 北海道の屋根よ 瓦無い(変わらない)のを見ておくれ」


    「千歳の華乃家(かのや)」
 夜席は、千歳市の眞光寺さま。札幌からインディを追っかけて5人の方が来られました! 今までライブを積み重ねてきた成果です。人とのご縁を大切にするインディのお人柄。同じ千歳の、曹洞宗大禅寺様も駆けつけて戴きました。ありがたい。
 私は、「お笑い人権高座」に落語「狼講釈」。インディは、「ママのマーボー豆腐」から入り、ノリノリ! 「雨の露天風呂」でしっとり聞かし、最後は、「ボウリングだよ人生は」で大盛りあがり。
 そのあと、ご住職からお接待を戴きました。お店は、お気に入りの華乃家(かのや)。鯨の刺身、つぶ貝をはじめ、お寿司も最高。行者ニンニクまで戴き、二人とも有頂天! 何よりキリンビールの工場が近くにあり、生ビールのおいしかったこと! 北海道で戴くビールはいつもおいしいと思います。最後は、焼酎「霧極(きりのきわみ)」。霧島酒造なのに、なんと麦! まるで上質のウィスキー、しかもやわらかい。思わずお代わりをしてしまいました。千歳の「華乃家」。私のささやかな食経験の中で、トップクラスの名店でした!
 写真は、つぶ貝。この大きさ。アワビより高級品。貝が苦手の私ですが、なるほどと思うおいしさでした!


    「インディ、原点に立つ。」
 札幌市すすきの交差点にて。インディは1993年3月、歌手になることを反対され、勘当の身に(法的には)。北海道へ来て、初めてストリートライブをした所がここです。ゆずもコブクロもこうしてスタートしました。願生!


    「桜が咲き出した下に水仙が」
 小樽、宝泉寺にて。やっと桜に出会えました。まだ咲き初め。なんと下には、水仙がきれいに咲いています! 水仙が咲き、チューリップが咲き、すみれが咲き、昨日は、夕張で桜まつり。今日は梅まつり。なのに梅がまだ咲いていないという。季節感が・・・?



    「20年前の色紙!」
 小樽の宝泉寺様。楽屋に高齢の女性が訪ねてこられ、写真のパンフを見せて戴きました。聞けば、20年前、全国の名店街の大会が高松であり、小樽から参加され、私の落語を聞いて戴いたとのこと。そして、私の色紙と手拭いを見せて戴きました。おまけに楽屋見舞いまで。色紙は、まだ新治でなく、「新次」の頃です。よくまあ!ちゃんと保管してくださっていたもの。感激の握手をさせて戴きました。本当にありがたい限りです。テレビにもなんにも出ていない私たちも、日々動いていたら、こんなありがたい出会いがあります。願生ります!
   

(2010.5.10) 「さすが小樽!」
 小樽宝泉寺様にて、ありがたい、豪華ウニ丼!

    「最後は、廣隆寺様。」
 旅の最後は、岩見沢の廣隆寺様。ここの廣瀬ご住職が、今回の全ての場を作って戴きました。その上、空港から五会場の送迎、荷物の運搬、会場づくり、さらにはプロなみの音響まで、全ておんぶにだっこ。本当にお世話になりました。私は落語二席。インディのステージも大爆笑。いい形で打ち上げさせて戴きました。終わって、なんとフランス料理で打ち上げ!私のリクエストで、ジャガイモのすりつぶしのスープも出して戴き、本当にありがたいかぎり。北海道は寒いけれど、人は本当に明るく、あたたかい!そして心がのびのびします。インディが勘当を受けて、その足で北海道へ来たのも分かります。私も北海道へ来るたびに、心がほぐされるように感じます。北海道は本当にいいところです!

(2010.5.11) 「完売お礼!」

 久米仙人寄席。330枚完売!すでに何十枚か、お断りしているそうです。ありがたい、ありがたい!


(2010.5.12) 「石川さんの本物の本気。」

 5・12狭山事件の再審を求める市民集会(東京日比谷野外音楽堂)に参加しました。狭山パンフを読む会は私を含め4名。石川一雄さん、早智子さん夫妻には、お会いするたびに本気を感じ、背筋が伸びます。36年前、民主的な裁判官と期待した寺尾に、まさか!の判決(無期懲役)を出され、それから今に至るまで、ずっと司法への期待は裏切られてきました。その間、石川さん夫妻は、変わらぬ闘いを繰り広げてこられました。これこそが、ほんまの闘いです。足利事件、布川事件、氷見事件などなど、冤罪の解決の流れはできています。今度こその思いです。集会のまとめで、再審を求める市民の会事務局長の鎌田慧さんは「明日、三者協議(裁判所、検察、弁護団)」が行われる」と公にしました。解決へ向けて大きく一歩前進することを願うばかりです。5月13日は、狭山闘争において画期的転換の日になるかもしれません。しかし、本当に長すぎます。23才で、寺尾ペテン判決に接した私がすでに59才。24才で不当逮捕された石川青年が71才。もちろん石川さんは「日本一いきいきと生きている70才」ですが。「一日も早く見えない手錠をはずし、夜間中学で学びたい」という石川さんの願いが実現するよう、力を合わせて願生りましょう!

 オープニングは埼玉の人たちによる、「チバリヨーエイサー」という沖縄舞踊。チバリヨーは、「がんばろう」という意味。まさに願生舞踊!

 社民党福島みずほ代表も出席。「国家権力を追い詰めよう」という集会にSPが立つという珍光景は、福島大臣のおかげ? 紹介は大臣でしたが、本人は「社民党代表として挨拶」をされました。学生時代から狭山事件に関わり、弁護士として狭山弁護団の一員でもあります。昔から狭山集会で発言されています。今日も自分の言葉でしゃべり、いきいきしていました。肩には、狭山弁護団のタスキが!

 最後に、都心をデモしてきました。

(2010.5.14) 「狭『山』が動いた!」

 三者協議、証拠開示勧告、そして、一部ですが、昨日二回目の三者協議での証拠開示。ゆっくりと(と言うより、遅すぎますが)、狭「山」が動き出しました。今まで、裏切られ続けたので、簡単には信用しかねますが、ここまでやっと来た!という思いです。
 ただ石川さんの「見えない手錠をはずす」のは、通過点であって、ゴールではありません。警察、裁判所、マスコミ、世論(差別意識)が一体となって、石川さんを殺人犯にした、差別事件の解決こそが、ほんまの目的です。
 えらそうにゆうてる私も、以前は、「石川=真犯人」の差別意識の持ち主でした。加差別側の一人として、自分を見つめなおし、変えていかなければ、狭山と「関わった」と言えません。石川さん夫妻の闘いはすばらしいですが、単なる美談にしてはなりません。他の冤罪事件とはちがって、これは、「部落差別事件」です。だからここまで、検察も、裁判所も粘るのです。
 しかし、裁判というものは、非常識なもんです。ふつう、証拠を47年も隠していたら、それだけで「ごめんなさい」です。おまけに、ルミノール反応検査の捜査報告書を「見当たらない」とは、幼児の言い訳。そもそも、「証拠を全部出さんと裁判する」ということが、我々素人には不可解。真実に迫るためには、全証拠を出すところから出発すると思うのが当たり前ですが、裁判はそうやないのですね。ですから「石川さんが無実であること」を誰より確信しているのが、検察ということになります。
 「お父さん!そのマッチは何!?」「いや!これは・・・」と隠したら、もうマッチを確かめんでも「怪しい」というのが、昔のホームドラマのパターン。証拠を隠し続ける検察が、「石川無実」を隠し続けているのです。世論を盛り上げ、一日も早く再審の扉をこじ開けましょう!


(2010.5.15) 「夕刊フジに登場しました!」

 5月8日の「夕刊フジ」に載りました。演芸評論家のやまだりよこさんが、取り上げてくださいました! やまだりよこさんは、「上方落語家名鑑」の著者。年間300の寄席に、チケットを買って通っておられます。5月21日の繁昌亭にも、早々とネットで買って戴きました。こんな評論家の先生は今までに知りません。中国語落語第二弾に「ごんべえ狸」を選んだのも、やまだりよこさんのアドバイスからです。ほんまにありがたいです。


(くわしくはこちら)


(2010.5.16) 「 第四回 久米仙人寄席。大入り大盛況!」

 350人のお客さんに世話人が20人。信じられない大入りです。今まで楽屋だったところにまでお客様が。ありがたい、ありがたい!


 かつて無い大入りの久米仙人寄席。当然のごとく盛り上がりました。玉之助さんの階段落ち、テープの出囃子が出ないなどのハプニング(いずれも私の高座の最中)もありましたが、満員のお客様は全てを乗り越えます。
 番組は、久米町代表挨拶に始まり、「狸賽(たぬさい)」・露の雅、「風呂敷」・新治。「餅屋問答」・桂勢朝、(お中入り)、主催者挨拶、「太神楽」・豊来家玉之助、「狼講釈」・新治。河内家菊水丸さんも、楽屋見舞いを持って駆けつけてくれたり、ほんまにいい寄席ができました。世話人の方々は、前日の朝9時から会場準備。本当に頭が下がります。多くの方々のご好意、お支えによって成り立っているこの寄席。ありがたいことです。
 終わって、遷都1300年に協賛して御開帳されている秘仏も拝見し、打ち上げ。ありがたく、幸せな一日でした。

(2010.5.17) 「繁昌亭にて円楽襲名披露。」



口上のようす。

(2010.5.18) 「『いかいの寄席』のチラシができました!」



生野出身でかためた寄席です〓

       「第14回新治寄席(大東市)のご案内」


 6月25日(金)18:30開演。会場は「大東市サーティホール(JR学研都市線、住道駅)」。出演は、笑福亭鶴笑、豊来家玉之助、新治。 木戸銭、前売り1500円。当日2000円。ホームページにて予約受付をします。詳しくはこちら。

(2010.5.19) 「天満天神繁昌亭に出ています。」

 天満天神繁昌亭の昼席に出ています。連日大入り!


 今日の夜席は、露の団四郎のバースデー独演会です。



(2010.5.20) 「6月7日の繁昌亭に出ます。」

 6月7日(月)の繁昌亭夜席「たっぷりじっくり仁福です」に出ます。仁福師匠が、トリと中トリ。私が、中入後、トリの前を勤めます。他に、呂竹さん、三若さん。開演18:30。チケットありますので、ご予約をどうぞよろしくお願いします。全席自由席で2000円です。
予約はこちらからどうぞ

(2010.5.21) 「繁昌亭・第2回 夢★露の新治寄席」

 第二回夢★露の新治寄席。番組は、「鉄砲勇助」露の雅、「ごんべえ狸」・新治、「幾代餅」・柳家さん喬、(お仲入り)、「しめこみ」・さん喬、「大丸屋騒動」・新治。 残念ながら、私は「ごんべえ狸」でつまずき、「大丸屋騒動」で落ちを間違うという不出来。それにひきかえ、さん喬師匠はさすがの高座。絶品の「幾代餅」。楽屋、舞台袖、関係者、繁昌亭にいた全ての人が惹き付けられました。私の不出来も含め、やってよかった新治寄席でした。お支え戴きました皆様に心からお礼を申し上げます。本当にありがとうございました! 今日からまた願生ります!


(2010.5.24) 「鰻は浜松だけやない!」

 昨日は繁昌亭を打ち上げ、三島経由で伊豆長岡温泉へ。繁昌亭昼席で毎日一席と、21日の「夢☆露の新治寄席」、ちょっと疲れましたが、温泉でありがたくリフレッシュ。今日のお昼は鰻を戴きました。三島は富士のふもとにあり、湧水で有名なところ。水がきれいです。その水で鰻を育てるので、おいしいとのこと。なるほど、おいしい!鰻は浜松だけやないと、ありがたく、勉強になりました!


(2010.5.25) 「口蹄疫の影響。」

 来月予定していた鹿児島の仕事が、口蹄疫の影響で延期になりました。去年はインフルエンザで仕事が飛び、今年は口蹄疫。落語家も世間の風にしっかりと吹かれています。


(2010.5.29) 「高家寺寄席。」

 兵庫県明石市、高家寺寄席。回を重ねて何と60回。年3回で、20年。震災も乗り越えて、今見事な花が咲いています。団六師匠、おめでとうございます!
 番組は、「米あげいかき」・桂福丸、「竹の水仙」・桂阿か枝、「青菜」・露の団六、「高津の富」・新治。たっぷりの2時間。ほんまにいい寄席でした。



上方落語界の三島由紀夫!桂福丸



灘中、灘高、京大法学部卒のエリート咄家、桂福丸。伝説の咄家となるか?



「竹の水仙」・桂阿か枝

(2010.5.30) 「週刊 落maga で紹介していただきました。」

 メールマガジン『週刊 落maga Vol.264  2010.5.28』の最後のほうの記事に、21日の「夢・新治寄席」が取り上げられています。昨日、繁昌亭の楽屋に行きましたら、林家染二さんが教えてくれました。申し訳ないほどほめて戴いて、正直ホッとしました。私は「自分の耳に心地良い言葉を真に受ける」という、前向きな人間です。ありがたい言葉を支えに、願生ります。皆さんもぜひ、お読みください。

 (ここをクリックしていただいて、メールアドレスを登録すると、登録確認メールが届きますので、画面に従って正式に登録するとバックナンバーを読むことができます。なお、関連するメールマガジンも届きますので、ご自身の責任において不要なメールマガジンを解除をしてください。なお、当HPへの記事の転送は控えさせていただきます。 MORI)

 (2010.5.31) 「この心意気!」

 5月31日(月)に、京都の西本願寺にある本願寺同朋センターでお話をさせて戴きました。西本願寺の心ある僧侶の方々が同和教育振興会を作り、自らの信仰と部落差別の問題や人権問題を重ね合わせ、自分ごととして考え、活動されています。まさに、西本願寺の「宝」のような人たちです。60人ほどでしたが、お世話になった方の顔も見え、ありがたく勤めさせて戴きました。感激したのは、写真の輪袈裟(わげさ)!荊冠が描かれています。本気の心が伝わってきます。正しいことは強いこと。信じて願生ります!
 同和教育振興会のスローガンは「御同朋、続けていくから未来がある」「(加)差別・被差別からの解放を」。そうだと思います。加差別側も、いや加差別側こそ解放されなければなりません。鳥取県八頭町の改革の碑の「水平社運動は、人を人とも思わない哀れな人間を救う運動である」と、見事に一致します。人を人とも思わない哀れな私が救われる運動です!願生!

 

2010年6月

 (2010.6.4) 「落語協会から」

 東京の落語協会からの出番表。久しぶりに戴きました!願生りますよ!さん喬師匠は、中席、鈴本、浅草掛け持ちです。すごい!



 (2010.6.8) 「第二回高田御坊寄席のご案内」
 2010年10月14日(木)18:30〜、奈良県大和高田市の高田御坊・専立寺(せんりゅうじ)にて。出演は、桂しん吉(地元片塩中学出身)、千田やすし、インディ、新治。木戸銭は1000円。アクセスは、JR高田駅西へ10分。近鉄大阪線大和高田駅、南へ15分。近鉄大阪線高田市駅、北へ15分。いずれも徒歩で。チケット予約受付中。


(2010.6.9) 「極左?」

 石原都知事が、菅総理を「極左」と言ったそうです。元社民連(旧社会党右派、江田派)の菅氏のどこが極左か分かりません。
こんなんどうですか?
「極右から 見れば菅でも 極左なり」
願生りましょう!

(2010.6.10) 「寝屋川市人権教育(同和教育)研究協議会。」

 寝屋川市人権教育研究協議会の全体講演会。市内の全ての小中学校が、特に中学校は、クラブ活動もお休みして、参加協力体勢。おかげで260人の参加。90分、狭山差別事件までお話できました。終わって、控え室に、千田やすし師匠の娘さんが尋ねてこられました。こちらの小学校で去年から先生をされています。新任の時、歓迎会で腹話術を披露し、大受けだったそうです。きっと生徒の心もわしづかみにするいい先生だと思います。寝屋川市同教の先生方、ありがとうございました。

(2010.6.12) 「ワールドカップのスローガン。」

 兵庫県宍粟市山崎町の解放同盟の活動家、Oさんのブログをご紹介します。本気の思いあふれる、熱い、熱い文章が並びます。ぜひお読みください。サッカー、ワールドカップが始まりましたが、大会スローガンについては全く報道されません。毎回、すばらしいスローガンらしいです。感動しました!
 今日は今から、久留米市日吉校区コミュニティセンターでお話させて戴きます。「諏訪中学校区人権のまちづくり推進協議大会」ありがたいことです。願生ります!

(2010.6.13) 「ドタバタのスタート」

 今日は浜松、長徳寺さまで、さん喬師匠と二人会。朝から、出囃子のダビングなどでバタバタしていました。ギリギリ間に合う段取りで駅に着いたのに、券売機で特急券を買っているうちに、日曜ダイヤにやられ、近鉄電車に乗り遅れてしまいました。行き当たりばったりの私にしては珍しく、新幹線の指定席券まで買って万全を期していたのに。しばらく放心状態でした。仕方がないので、ご住職やさん喬師匠にお詫びと連絡。斜め上を向いて、「ハッハッハッハッ、ハッハッハ!」と、無理に笑い、気を取り直しました。これ、不思議なんですがほんまに気持ちがスッキリします。まあ、これでスッキリする私が軽いのかも。すると、よおしたもんで、今度は日曜ダイヤで思わぬ特急があり、それに飛び乗り、結局間に合いました!あの放心状態はなんやったんや?

(2010.6.14) 「旧中山道界隈」

 昨日の長徳寺寄席は、150人の元気なお客様。大入り満員で爆笑、爆笑!
 夜の間に、岐阜県中津川市に入り、今日は、昼からの公演の前に、旧中山道の妻籠宿(つまごじゅく)、馬籠宿(まごめじゅく)を案内して戴きました。



妻籠宿





見事な緑の中。すばらしい滝がありました!



馬篭宿



何より平和!
 五平餠(だんご)。御幣の形などいろんな形があります。クルミ味噌で、まことにおいしい。昔は、五平餠、五合というくらいたくさん食べたとのこと。


 岐阜県中津川市西生寺さま(真宗大谷派、お東)。もう五年以上、毎年お世話になっています。今日も満員、満堂のお客さま。ありがたい!玉之助師の技に、大喜び!


出を待つ、豊来家玉之助師



剣の舞に、お客様はドキドキ

(2010.6.15) 「サッカー、ワールドカップ」

 今朝のテレビで、サッカーワールドカップのニュース。勝利に飛び上がるファンの模様を見ていて、ふと気づきした。今まで、誰とも今回のワールドカップの話をしていないことに。つまり、私の周りでは、一切話題に出ないということです。私が関心がないのは今までと一緒。どうやら、私の周りの人たちも関心が無いよう。つまり、私も、付き合う人たちも(サッカーワールドカップに興味を示さないほど)高齢化したということだと思います。これが老いなのでしょう。それと、私も、周りの人たちもテレビ離れしてきているのかと思います。こうして、時代に遅れていくのでしょう。浮つくより、いいことだと思いますが。

    「SAY話(成和)の集い」

 今日は、三重県伊賀市立成和中学校。生徒が運営する人権学習会。クラス毎に、人権委員が選ばれ、集いの冒頭で自己紹介。それがまた、一人ひとりが自分の考えをしっかり話し、感動もの。その後を受けて、お話。5分の休みを挟んで90分弱。それから交流。日本中の学校でこれだけのことができているわけではない。むしろ少数派。ここまでやれるのは、同和教育の今までの積み重ねがあるから。ほんまにすばらしい。生徒もよく聞いてくれて、ありがたかった。いろんな課題を抱えて大変な生徒もおられるのですが、あの生徒さんなら、きっと願生って戴けると思います。



(2010.6.16) 「NHKスぺシャル〜シリーズ」

 愛媛のYMさんからのお便りです。以下、転送します。


 「NHKスぺシャル〜シリーズ日本と朝鮮半島」の第3回「戦場に動員された人々〜皇民化政策の時代(仮称)」が6月20日(日)、午後9時〜9時49分に放送されます。番組の予告文は次のとおりです。
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韓国併合から100年。日本と朝鮮半島の関係史に迫るシリーズ第3回。日中戦争から太平洋戦争の時代、朝鮮総督府は皇民化政策を推進し、朝鮮半島の人々を戦争に動員していった。番組では、朝鮮人志願兵、女子勤労挺身隊に動員された生存者、そして特攻隊員の遺族を追跡。志願という形を求めた戦時動員がどのような被害をもたらしたのか。最新の資料と証言をもとに皇民化政策の実態に迫っていく。
http://www.nhk.or.jp/japan/program/prg_100620_2.html

(2010.6.17) 「大山田中学ヒューマンタイム」

 三重県伊賀市大山田中学。ヒューマンタイムは、松村智広(まつむらさとひろ)先生がおられた頃から始まった、人権学習です。外部から講師を招き、話を聞き、その後、学年を縦割りにした班(三学年が混ざる)で討議(分科会)、そして講師も参加する全体会で出しあいます。講師の話は、あくまで討議の材料で、「主役は生徒」。130人ほどの生徒ですが、全校生、そして教職員がいる場で発言するのは、なかなかのこと。それなのに次々と手が挙がります!充実した3時間。毎年の積み重ねの力。こんな人権学習が年に数回、もう何年も続いています。部落解放運動ありせばこそ! 組合の組織率も高く、先生方が、バラバラではありません。同和教育は当然のごとく教育の芯に置かれています。昔は当たり前のことでしたが、今や貴重な存在。三重県伊賀市の同和教育。すばらしい!

(2010.6.18) 「「れじおん」に記事が載りました」

 北海道札幌の厚別など、四地区に、27000部配布されている地域誌「れじおん」(フランス語で、地域、地方の意味)に、お笑い人権高座の記事を載せて戴きました。厚別の智徳寺様で、インディさんと二人会をさせて戴いた時の模様です。担当のTさんは丁寧な方で、事前に記事のチェックを私に求めてこられました。いつも、最後まで話を聞かず「露の新治さんの軽妙なお話で・・・」とか、書かれることが多いので、きちんとして戴き感激しました。ありがたいです。



(2010.6.19) 「またしくじりました。」

 今日は大事な東京の黒門亭。さん喬師匠のお世話で出番を戴き、今松師匠と同じ出番、しかもトリ。その上、ネタ出しで、「大丸屋騒動」。絶対にとちれないので、ないことに、事前に指定券も買い、きちんと準備、万全を期していました。なのに、そのことを全く忘れて出てきてしまいました。(アカンやん)。もちろんチケットも置いたまま。そのことに、京都駅に着いてから気づき、がっかり。仕方がないので、また「ハッハッハッハッ!ハッハッハッ」気持ちは切り替わりましたが、ほんまに忘れっぽい。一体、私の頭はどうなってるのか?まあ、あまりはようから準備をしたから、こんなことになるのでしょう。これからは、あまり早くから、万全の準備をしないようにしようと思います。思えば、物心ついてから50年以上、その場しのぎで生きてきたのです。きちんとしようとするからあかんのです。やはり私はへらへらがおおてます!無理したらあきません。

       「なんと満員御礼。」

 もちろん43人という満員御礼ですが、嬉しいです。番組は、「牛ほめ」・柳亭市也、「粗忽長屋」・古今亭志ん八、「おせつ徳三郎」・むかし家今松、「大丸屋騒動」・新治。私の出番の時、すごい拍手で迎えて戴き、感激するやら、緊張するやら。ありがたい、ありがたい。




(2010.6.20) 「親鸞聖人750回大遠忌法要。」

 新潟県長岡市明元寺さま。。浄土真宗本願寺派(西本願寺)与板組(よいたそ)お待ち受け法要。その一環として、門信徒のつどいが行われ。今回は私が出番を戴きました。光栄至極。願生ります!


(2010.6.24) 「共に幸せを生きる町作り人権講座。」

 京都府福知山市日新地域公民館にて、お笑い人権高座。願生ります!ハートマークもバッチリ。会場をなごましてくれます。



(2010.6.25) 「泣いてしまった詩集。」


 この本を受け取り、数分後には泣いていました。「奈良 少年 刑務所 詩集」『空が青いから白をえらんだのです』。篤志面接員を勤めている奈良少年刑務所。昨日午前中、受刑者と面接。終わって控え室に戻るとこの本を勧められ、早速一冊分けて戴きました。
 刑務所は受刑施設ですが、更生を願っての教育施設でもあります。特に奈良少刑は、初犯の者も多く、年齢も若いので更生教育の効果も高い。その一環に、「社会性涵養(かんよう)プログラム」があります。涵は「ひたす」という意味。「涵養(かんよう)」は「水が自然にしみ込むように、少しずつ養い育てること」。やさしさに満ちた言葉です。
他者とうまく交わったり、自分を表現することができない子供たち。その結果、犯罪に走ってしまったという受刑者の更生のためにできた教育プログラムです。講師の作家、寮美千子さんは、その科目の一つに詩を取り上げました。そして鑑賞だけでなく、詩を作らせたのです。その作品を、矯正展でパネル展示したところ、すごい反応。にぎやかにしゃべりながら見物していた人たちが、詩のパネルの前では黙りこくってしまい、中には涙ぐむ人や、携帯で撮る人も。そして「詩集はありませんか?」という声が大きく、刑務所として例の無い、出版に踏み切ったそうです。 私はベストセラーになる予感がします。
 作者は受刑者、つまり犯罪者であり、加害者。けど、私も面接をしていて感じるのですが、犯罪者もまた、誰かの被害者です。親や社会と言ってしまえばそれまでですが、本当にそうです。ぜひお読みください。アマゾンでも出ているそうです。


 表紙の写真は、青い空に白い雲。そして僅かに見える塀。奈良少年刑務所は、明治の名建築の一つ。なのにシンボル的なメインの建物の写真を敢えて使わないのも、編者の寮美千子さんの思い。
 タイトルの「空が青いから白をえらんだのです」は、作品の一つ。この詩は、この一行が全て。学校からもこぼされ、詩なんか書いたことも無い人ばかり。寮さんの授業での彼の話が後に続きます。父親の暴力。助けられない子どもの彼。そして体の弱い母は最後の言葉として、彼に「辛いことがあったら空を見て。そこに私がいるから。」と言い残して亡くなります。白い雲はお母さん。その雲に対しての彼の思いがこの作品です。すてきなのは、この一行の朗読を聞いた、クラスの声。「この詩を書いたことが、A君の親孝行だと思いました」「A君のお母さんは、真っ白でふわふわなんだと思いました」「僕はお母さんを知らないので、この詩を読んで空を見たら、僕もおかあさんに会えるような気がしました」と言ったその子は、おいおいと泣き出したそうです。そして、自分の詩がみんなの心に届き、ゆさぶったことを感じたA君は、実にはればれとした表情を見せたそうです。そして劇的に変わってゆきます。


 カバーとは別の写真。刑務所のたたずまいがよくわかります。敢えてこちらをカバーに使わないのも、しぶい。


 奈良少刑正門。明治時代の建築の粋。明治五大監獄の内、唯一残った歴史的建造物。その上、まだ現役。特に、正門とその奥の中心棟は、すばらしい。昔はドリームランドと間違えて観光バスがよく止まったほどです。

 好きな色。「何も書くことがなかったら、好きな色について書いてください」寮美千子先生は課題を出しました。それを受けてB君が書いた詩。

  ぼくのすきな色は青色です。
  つぎにすきな色は赤色です。

 この二行だけ。あまりの直球に、さすがの寮先生も言葉につまります。私なら、「これが詩ィか?まじめにやらんかい!」と言ってしまいます。ところが二人の生徒が手を上げます。
 「ぼくはB君の好きな色を、一つだけじやなくて二つ聞けてよかったです」
 「ぼくも同じです。B君の好きな色を二つも教えてもらってうれしかったです」
 私はこの二人のやさしすぎる感想を読んで涙がとまりませんでした。他の生徒が言います。
 「B君は、ほんま赤と青が好きなんやなあって、よく伝わってきました」
 彼らはもはや仲間です。思いがこみあげてきます。「なんでそんなええ子なんや。なんでこんなええ子が、刑務所に入るようなことになったんや。」 全ての子供に、だれかがこんな声をかけてあげたら、刑務所に来る人間はいなくなると思います。どんな犯罪者も生まれた時は、宝の子なんですから。
 まだもっとすごいのもありますが、とりあえず。


(2010.6.26) 「第14回大東新治寄席。」

 大阪府大東市、北河内のこの町で、お笑い人権高座は形になりました。人権パネル展のために作った創作落語「いじめ入門」。これがきっかけとなり、人権の話を本格的にするようになりました。そして、香川県大内町の上村さん(現・東かがわ市副市長)が、公民館講座に招いて戴き、その時「新ちゃんの人権高座」とタイトルをつけてくださいました。それに「お笑い」を付け足して今のタイトルとなりました。その大東で、役所の人や、PTAの人たちがお世話戴き、「人権の新ちゃん、落語で願生る!」をうたい文句に寄席が始まりました。昨日はその14回目。大東市サーティホール(小ホール)には、満員の200人余りのお客さん。ありがたい、ありがたい!
 番組は「風呂敷」・新治、「太神楽」・豊来家玉之助、「くもんもん式学習塾」・笑福亭鶴笑、(お仲入り)、「柳田角之進」・新治。お客様は、私の一席目から乗り乗りで、玉之助さんの妙技では何度も歓声があがり、獅子舞に魅せられ、鶴笑さんは、爆笑に告ぐ爆笑、マクラでなんども拍手が起きるほど。いつもは、パペットや紙きりなど多彩な芸を披露されますが、素話の落語もすごい迫力!脱帽です! 最後は、わたしも負けずに笑いをと思い、マクラから飛ばしていましたが、長講をと思い柳田角之進を。笑いの無い話でしたが、よく我慢してお聞き戴きました。終わってみれば、三人で2時間40分!次につながる盛り上がりの中、お開きとなりました。

      「近所のおばちゃん。」

 大東市の寄席に懐かしい顔が。生野区に住んでいた頃の知り合いで、私の妹の同級生のお母さんです。同級生と言っても小学一年生からの親友。私は五年生の時からの付き合い。私の顔を見るなり、昔と変わらぬ大きな声で「兄ちゃん、おおきなったなあ!」(ぼちぼち縮みかけてんのに!) 懐かしく、嬉しく、ありがたかった! おばちゃん、長生きしてや!


(2010.6.27) 「鳥取県湯梨浜町へ。」

 早起きして倉吉へ向かっています。今日は鳥取県湯梨浜町。昔の羽合町。これで四度目。羽合(ハワイ)町だから、市民会館はアロハホール。ここも二度目。ありがたい。お笑い人権高座、願生ります! 明日は、旧東郷町の東郷中学。自分の子というより孫に近い世代。学校に行っても、校長先生が年下。「新ちゃんのお笑い人権高座」の「新ちゃん」が恥ずかしい。


(2010.6.28) 「湯梨浜町人権フォーラムちらし。」

 出演は、私と、ハワイ笑歌村塾・塾長の石川達之(たつゆき)さん。


     「鳥取県湯梨浜町立東郷中学校」

 暑い体育館なのによく集中して聞いて戴きました。最後に質問コーナーを設けると、三人の生徒さんの手が上がりました。全校生徒の前でマイクを握る。この経験はきっといいことにつながると思います。寮さんの本「奈良少年刑務所詩集」を早速図書館におくよう、アマゾンに手配をして戴きました。ありがたい。矯正教育も学校教育も目指す所は、社会で生きてゆく力をつけること。きっと参考にになると思います。


    [生野☆たつみ寄席のご案内。」

また新しい寄席ができます。「生野☆たつみ寄席」。10月31日(日)13時30分開場、14時開演。会場は「studio 音舞」。アクセスは、「地下鉄千日前線北巽(きたたつみ)駅より南へ徒歩7分。車の場合は、内環状線沿いJA大阪の角を西へ一筋目の喫茶店の2階です。出演は、林家染雀、笑福亭鶴二、新治。木戸銭は1500円(当日も)。メールでも予約を受け付けます。どうぞよろしくお願いします。


(2010.6.30) 「奈良少年刑務所詩集をぜひ。」

 以下のメールを皆さんに送っています。すごい反応。現在注文が35冊。直接頼みますというメールもたくさん! ありがたい、ありがたい!

《露の新治通信》
 お暑うございます。お元気ですか?露の新治です。

 すばらしい詩集ができました! 私が、篤志面接員を勤めています奈良少年刑務所(奈良少刑)が、すばらしい本を作りましたので、ご案内致します。『奈良少年刑務所詩集・空が青いから白をえらんだのです』(1500円ブラス税)
 矯正教育の一環としての改善指導。その一つに、奈良少刑は、「社会性涵養プログラム」として、童話作家の寮美千子さんに詩を通じての指導をお願いしました。寮先生は、詩作を「生徒(受刑者)」にさせます。そこで生まれた詩を、矯正展でパネル展示したことが、多くの人に衝撃を与えます。パネルの前で立ち止まり、息を呑んで詩をみつめる人、涙ぐむ人、写真を撮る人。それらの人が口々に「詩集はないのですか?」と尋ねます。教育統括始め、授業に立ち会い感激していた教育係の教官たちが思いを持って出版にふみきったのがこの詩集です。(教官が共感したのです)
 私は刑務所で受け取り、最初はただで配っているのかと思い、軽い気持ちでパラパラとめくり、数分後には泣いてしまいました。彼らの拙いけれど、素直な表現、それを受け止めかねる寮先生。しかし、その場は、クラスの仲間の限りない素直なやさしさによって救われます。詩には、人間を変える力があります。ぜひお手にとってお読みください。彼らの「人間をまるごと受け入れるやさしさ」。彼らが、今までに一度でも、こんなやさしさに触れていたら、人生は変わっていただろうと思います。
 当たり前に字を読んだり、書いたりしていると、素直に受け止める心を無くしてしまうのかも知れません。32年前、夜間中学で文字を取り戻す営みの中で、おっちゃん、おばちゃんの生徒さんは、ため息の出るような、やさしい詩や、泣いて、泣いて、涙があふれて読めなくなるような文を書いてくれました。受刑者の彼らもまた、文字や言葉、文芸を奪われていたのです。卒業証書はもらっても、教育は与えられなかったのです。同和教育、解放運動、人権啓発、宗教による救い。全てに通じる、人間の本来の姿が見えてきます。改めて人間を信じて願生ろうと思える、そんな詩集です。お薦めします。ぜひともよろしくお願いします。
 ネットでも買えます。著者の寮美千さんや、奈良少年刑務所へ直接、問い合わせて戴いてもいいかと思います。私が連絡させて戴いてもかまいません。または、私のホームページにも写真入りで詳しく紹介させて戴いています。そちらもご覧ください。何とぞよろしくお願いします。

           露の新治 拜
(メールの転送大歓迎です)

(註)
 この詩集については、別ページで特集をしています。注文方法も含めて、こちらからどうぞ。


     「篤志面接委員」

 昨日は近畿地方全体(大阪矯正管区管内)の篤志面接委員研究大会の司会をしました。保護司、教誨師は名前が通っていますが、篤志面接委員(篤面)はあまり知られていません。受刑者の更正、矯正のお手伝いをする民間のボランティア。私が篤面になって五年ほどになります。
 それまで奈良少年刑務所でお話を頼まれてしていました。その頃は、黒塗りの高級車で迎えに来てもらい、着くと所長室でお茶の接待。講話と称して楽しく話し、謝礼まで戴いていました。篤面になると、協力者ですから何もなし。全体講話の時に「ほんまに」僅かの謝礼がでるくらいです。おまけに、会費をとられます。なんやかんやでえらい損。

 けど、なってよかったです。まず「人の話を聞く難しさと大切さ」がわかりました。そして、受刑者(犯罪者)が「まともな人間」だということも知りました。社会(刑務所も社会の一部ですが、刑務所外の世界)ではまともな人間が加害者になってしまうのです。何よりの収穫は、刑務所職員、民間協力者の更生への熱い思いです。国家権力そのものの刑務所職員が、受刑者の人間性を認め、刑期の間になんとか矯正し、再犯をしなくてすむような人間力をつけようと必死で取り組んでいます。目からウロコでした。
 刑務所は、懲罰の施設ですが、それより大切なのは教育です。「まともな心を取り戻さなければ、自分の犯した罪の重さもわからないし、反省も始まらない」からです。そして刑期が終われば社会に返すのです。社会の安全のためにも矯正教育は大切です。いくら辛い刑罰でこらしめても、出れば「喉元すぎれば・・・」で、クスリもやるし、追い詰められれば犯罪も犯すのです。そして当たり前の話ですが受刑者にはお金がかかる。これ全部税金です。再犯率を下げることは、リアルにいいことなのです。篤面は、その一助になればと、受刑者との面談をするボランティアです。月に一、二度、希望者と話します。弁護士の先生は法律相談。企業主は就職相談。音楽や美術、英会話などのサークルもあります。他は、宗教者がほとんどです。やはり心の相談が多いからです。そこに私のような者もまぎれこんでいます。
 その研究大会が奈良のホテルで行われました。近畿一円から400人以上が参加。法務省矯正局の芯を担っている方の講演(これが中味があって、話が上手。テンポがよくてテーマの固さに反して眠たくならない。テーマは、「刑事施設における再犯防止のための取り組み」聞いただけで眠たくなるでしょう)を聞き、更生を願ってのシンポジウム。テーマは「社会復帰と社会の受け皿」。形式的なものに終わらず、活発な意見も出る有意義なものでした。
 刑務所と、それに関わるボランティアというと、固くて、名士のひとたちの名誉職、お道楽というイメージを持っていましたが、真面目に取り組んでいる人ばかりです。そして皆さん、受刑者に対して一所懸命です。
 世の中には人を支える仕組みがたくさんあります。福祉、教育、民間の市民運動や労働組合運動。さらには、いろんな差別を無くし、人権を確立する運動。同和教育、人権教育、みな大切です。そんな「人を支える仕組み」から、全てこぼされたのが犯罪者と言えます。もちろん犯罪者は、加害者として、被害者というさらに人権を奪われた人たちを作ります。こんな切ない?連鎖を止めるための矯正教育であり、民間協力の意味もそこにあります。全てのセーフティネットからこぼされた人の最後のセーフティネットが刑務所ではないかと思います。もちろんそれではいけないのですが、刑務所に出入りさせて戴き、そう感じます。詩集はそこでできたのです。


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