新ちゃんの へらへら日記



2024年7月

 「智丸さん「仏馬」ネタおろし。」(2024/7/1)

 智丸さんから、「『仏馬』をネタおろしさせて戴きました」と丁寧な連絡を戴きました。「仏馬」の本来のオチ(下げ)はオチとしていまいち弱いのです。なので私は「三道楽煩悩(さんだらぼんのう)」にかけてオリジナルのものにしました。「親子茶屋」と同じ趣向です。智丸さんは、私のサゲを更に一歩進めてて、分かりやすいものにしてます。聞いて「なるほど」と思いました。お願いして、それでやらして貰いたいと思う程です。さすが新作で独特の世界を作る人です。落語に正解はありません。特に「仏馬」のような噺は、自由にして今に通じるものに変えてゆくべきです。こんなことが「私ら噺家の仕事やなあ」と思います。

 「オリエンタルカレー。」

 ♪懐かしい~、なつかし~い あの~リズム~ エキゾチックなあの調べ~オリエンタルの謎を秘め 香るカレーの夢のあ~じ~♪
 およそ60年ぶりに食べます。子供の頃、白黒テレビから流れてきたあの歌。何が「オリエンタルの謎」かわからんままでしたが。聞いていてなぜかせつなくなったのを覚えてます。あと「ハウスゼリエース」、たしかあの人、島かおり。あのCMもせつなかったです。ユーチューブで、オリエンタルカレーの歌がありました。名曲やと思います。なんでか目が潤みました。(歳やがな)

 「桂蝶の治さんとオンラインで稽古。」(2024/7/7)

 何度か対面稽古をしたので、あとはオンラインでお稽古。東京の人なので、これもええ方法かと思います。このところ、お稽古をさせて戴くことが増えてきました。「レッスンプロ」と呼ばれてます。あかんやん。

 「幽霊祭り。」(2024/7/12)

 かつては五郎兵衛一門の恒例行事。今は、団四郎師匠が受け継いでます。幽霊の掛け軸や怪談噺に使う道具、衣装などを並べ、塩鯖とお酒を備え般若心経をお唱えします。これをしとかんと、公演で何かが起きる?たまたまのことかもしれませんが私も経験してます。8月1日、2日の、名古屋大須演芸場の怪談噺の成功もお願いしました。

 「お稽古から名古屋へ。」(2024/7/13)

 午前中、桂蝶の治さんとオンラインでお稽古。蝶の治さんは先日の幽霊祭りにもオンラインで参加。その意欲には感心します。稽古のたびによくなるのて、改めて「稽古はウソをつかない」と実感させて戴きました。

 午後から名古屋へ。新しくなった中日文化センターにて、睡眠とめまい治療の専門家、医師の中山明峰先生と二人会。「眠らせる医師と眠らせたくない落語家」の会も三回目。今回も満員大盛況、よく盛り上がりました。今回は「めまい」がテーマ。めまいの仕組み。めまいと車酔いの関係。その原因。その克服のために心がけること等々。難しいことを分かりやすく説いて戴き、更には医療の裏事情も。客席には、睡眠やめまいで悩む方、医療関係者、落語ファンと様々な方々が。高座は「雪の戸田川」を素話で。聞き上手のお客様のお陰で手応え十分。ありがたく勤めさせて戴きました。

 【中山明峰先生のブログはこちらから】

 「第六回大安寺伝統話芸鑑賞会」(2024/7/14)

 奈良市の大安寺「獅子吼殿ひ・び・き・ホール」にて、第6回大安寺 伝統話芸鑑賞会」。番組は、講談「本能寺の変 謀反のきっかけ」・旭堂南和(きょくどうなんわ)、講談「応挙と幽霊の太夫」・旭堂南照(きょくどうなんしょう)、落語「中村仲蔵」・露の新治。大入叶。
南和さん 高座の南照さん

 「ハルカス寄席楽しい!」(2024/7/16)

 連休明けにもかかわらず、雀々師匠人気で超満員。ありがたや。番組は、一部:「長短」・喬若、「道具屋」・染吉、「蛇含草」・雀々、二部:浪曲「嫁ぐ日」・まどか/曲師・初雪、「ギリギリコミュニケーション」・福丸、「柳田格之進」・新治。お客様に乗せて貰い、幸せな高座でした。
雀々師匠、福丸さん まどかさんと初雪さん。

 「瓢箪山のお稲荷さん。夏祭り。」 (2024/7/18)

 瓢箪山の「瓢箪山劇場」。支配人を勤める高井ギャラ師匠。お祭りなので模擬店を出して祭りを盛りあげてます。お手伝いは鹿えもんさん。いきいきと動いてました。8月上旬に、2カ所で落語会をするそうです。

 「奈良テレビ。」 (2024/7/19)

 何十年ぶりに奈良テレビでお世話になりました。最初にお世話になったのが28の時でしたから45年前!「子供と語る」という児童の作文を紹介する番組でした。多分、レポーターとしては第1号かと思います。番組は情報番組で、私は「奈良の夜間中学」の草創期の話をさせて戴きました。短い時間でしたが、いろいろしゃべらせて戴きました。思えば、夜間中学開設運動を芯になって担った先生方はほとんどおられません。当時、使いっぱしりの私が73歳ですから。時の流れの中で夜間中学の役割も変わってきました。しかし、夜間中学の存在意義は益々大きくなっています。義務教育は子供にとっては権利教育であり、文字と言葉は生きる力。基礎学力の保証は、基本的人権確保の大事な要素。文科省の方針もあり、全国に夜間中学が続々と生まれつつあります。なのに時代に逆行して、大阪では原点ともいえる、天王寺夜間中学と文の里夜間中学が、「在校生、卒業生、先生方の声を無視して」つぶされようとしてます。文の里は既に廃校になりました。そんな大阪ではなかったのに。維新政治の本質はこんなところに表れています。天王寺夜間中学、文の里夜間中学、廃止反対。

 「本格的怪談噺の会。」 (2024/7/20)

 露の五郎兵衛の怪談噺の受け継き手、団四郎師匠が満を持しての怪談噺の会。7月23日(火)繁昌亭夜席。私も勉強に伺います。団四郎師匠は、五郎兵衛から芸も怪談噺の道具一式も受け継いでる、上方怪談噺の第一人者。本格怪談噺で、夏の宵をお過ごし下さいませ。
〇 「第十七回 夏夜の怪談」
 日時:7月23日(火)18:30~
 会場:大阪市北区 天満天神繁昌亭
 出演;桂弥壱、露の団姫、ビックリツカサ、露の団四郎「淀川堤~夢川竹~」
 料金:前売り・予約3000円、当日3500円。

 「映画『35年目のラブレター』。」

 夜間中学生を主人公にした映画ができます。「夜間中学の主役は生徒」。48年前、奈良で創設運動が始まった時から一貫して言われてきた事です。設立運動も、うどん学校の生徒さんが、署名活動、ビラ配り、市教委、県教委交渉の前面に出てから一気に話が進みました。その生徒さん(西畑保さん)がモデルです。演じますのは、鶴瓶師匠。お弟子さんの鉄瓶さんは、この話を新作落語にされて好評です。ただ問題は「西畑さんが、なぜ文字が書けなかった」ということです。文字が書けないということは、結果的には参政権も奪っていることです。そこには、戦争と差別が深く根を下ろしてます。夜間中学で「この二つこそ悪」とはっきり教えて戴きました。73の今になっても、差別と戦争に反対の気持ちは変わりません。ずっと反対してゆくつもりです。西畑保さんが主人公の映画「35年目のラブレター」来年春上映です。

 「映画『戦雲(いくさふむ)』。」

 前作の映画「標的の村」で沖縄の基地問題を描いた、三上智恵監督の最新作「戦雲(いくさふむ)」を見てきました。奈良学園前ホールは300人の満席。「標的の村」は、国の報道管制を乗りこえて映画化され、沖縄の、特に普天間基地のオスプレイ配備反対運動の事実を全国に広め好評でした。 その三上智恵監督の新作「戦雲(いくさふむ)」。沖縄の南西部の石垣、宮古など諸島でで着々と進む戦力配備(戦争準備)。島々人々の犠牲を想定内に組み込んだ軍事戦略。恐ろしい計画が進んでいます。「多少の犠牲は仕方ない。その多少は、私たちですか?」と訴える女性。知らんことばっかりでした。知ろうともしてなかった自分に気づかして戴きました。平和憲法がある国とはとても思えません。知らなあかんことだらけでした。ドキュメンタリーですから、地味な映画でしたが、大事な事を知らせて戴きました。満席だったことが救いでした。

 「『笑』の字が作品になりました。」

 造形作家、横井さんの作品。「笑う門には福来てる」大事にさせて戴きます。

 「福楽の底力。」 (2024/7/21)

 7月21日(日)、動楽亭にて、福楽師匠の会「福楽の底力」に出して戴きました。番組は、「看板のピン」・大智、「借家怪談」・福楽、「雪の戸田川」・新治、「トーク」・福楽/新治、(お中入り)、「千両みかん」・福楽。大入りのあたたかいお客さんに助けて戴き、楽しく勤めさせて戴きました。ファンクラブ福楽会の皆さんの献身的なお世話。それに高座で応える福楽さん。ファンと芸人の理想的な形が長く続いてます。福楽会会報「福ラッキー」も、この種の会報としては業界トップの充実した誌面。会員になるともらえます。ぜひご入会を。
『福ラッキー』の写真です。(クリックで拡大)

 「レッスンプロ繁盛してます。」 (2024/7/24)

 7月23日(火)、繁昌亭夜席、団四郎師匠の本格上方怪談噺の会の前に、桂勢朝師匠とお稽古。秋の独演会にかけはります。さすがはベテラン。お稽古ですが、聞き入ってしまいました。24日(水)は、鹿えもんさんとお稽古。8月7日(水)の「第二回 鹿えもん、しっかりしなさい!」にかける「ふろしき」を。稽古のたびにしっかりしてきました。稽古はうそをつかない。改めて思いました。皆さま、お楽しみに!

 「東北笑生会、理事長。」 (2024/7/28)

 私の高校同級の増子隆さんが立ち上げたNPO法人東北笑生会(しょうしょうかい)。その彼が亡くなり、遺志を継いだ娘さんの林田晃子さん。二代目理事長を勤め、 願生ってはります。

 「テントさんからのご祝儀。」 (2024/7/30)

 寄席の道具を片付けてたら、こんなん出てきました。独演会でテントさんから戴いたご祝儀。のし袋の表には「精一杯 なけなしの金」、裏には「ご祝儀理」。こんな千社札よお捜してくるなあ。それと、五千円(ご声援より五千円のシャレ)のお札のたたみ方?!ピッチリのし袋と同じサイズ。こんな折り方をする人、世界でたった一人。さすが自称「架空の人物」。宝ものにします。

2024年8月

 「名古屋大須演芸場。」 (2024/8/2)

 久しぶりの大須の昼席。怪談噺はチームプレー。鳴り物は、登龍亭幸吉さん。旭堂左燕(左南陵門下)さん。三味線は、虹友美師匠。そして、なんと言っても桂弥っこさん、大活躍です。おかげで客席は「キヤー、キヤー!」
初日のネタ
登龍亭幸福師匠と。楽屋にて。
柳家風柳師匠、虹友美師匠と。
撮影、虹友美師

 「大須演芸場。」

 大須演芸場で久しぶりのお昼席。実は、怪談噺の本家、露の団四郎師匠の代演でしたが、二日間ありがたく勤めさせて戴きました。私は、怪談噺をやるのがいやで、師匠に勧められた時も「幽霊が怖いので」と断りました。それならと、教えて戴いたのが素話の「雪の戸田川」でした。一昨年、これも団四郎師匠の代演で、初めて大須演芸場で怪談噺をやりました。やってみると案外楽しくやれ「こんなんやったら、もっといろんな噺を教えてもろといたらよかった」と思うぐらいです。お手伝いで、鈴本演芸場での怪談噺についていってたので、いろいろ聞いてはいます。なのてもう少しネタを増やそうかなとおもてます。
 今回も、大阪や京都、兵庫と名古屋以外から数人の方が駆けつけてくださいました。ありがたかったです。ありがとうございました。

 「落語王・桂福若独演会。」 (2024/8/3)

 桂福若さんが、久しぶりに大阪で会をされ、私と新幸を用いて戴きました。高校生の頃に「阪神優勝道頓堀川ダイブ第一号」というアホなことをした人ですが、今は「断酒」をして自分と闘こおてはります。その模様は、ユーチューブで配信してますのでぜひご覧ください。こないだなんかニーチェの言葉で締めくくってました。見かけは「やたけた」、根はまじめで繊細。桂福団治師匠の弟子で息子。因みにお母さんは、美空ひばりや島倉千代子の物まねで有名な翠みち代(みどりみちよ・前、椿みちよ)師匠。そのお兄さんが浪曲師で泉ピン子師の父。なので、泉ピン子師とはいとこ同士という芸能一家。
 番組は、「鉄砲勇助」・新幸、「鼻の狂歌」・福若、「竜田川」・新治、(お中入り)、「漫談」・宮崎げんき、「南京屋政談(唐茄子屋政談)」・福若、「トーク」・福若/げんき。今は岐阜で活動してる福若さんですが、たくさんのファンの方が駆けつけて下さり、大阪での上々の再スタートとなりました。

 「ハルカス笑かす寄席。」 (2024/8/6)

 ハルカス寄席は三人一組で、年功序列にとらわれず出番を決められます。かけたいネタを出しあい相談。今回は九ノ一さんが「一文笛」に挑戦したいというので、呂好さんがトップに回り「代書屋」、次に九ノ一さんで、私が「宇治の柴舟」。結果、好評でした。他にも、あみだくじで出番を決めたりしてる組もあります。これは大変です。そこから、出番に応じたネタを考えなあかんのですから。そんな緊張感がええ具合に働いて盛り上がってます。ハルカス寄席。芸人にとっても魅力的な寄席です。
呂好さん 九ノ一さん
かい枝さん 雪鹿さん

 「木馬亭にて。」 (2024/8/9)

 8月9日上京、木馬亭へ。楽屋入りして怪談噺の打ち合わせ。三味線は和女師匠。鳴り物、たまさん。照明、梅之丞さん、一海さん、特別出演、旭堂鱗林さん、蝶の治さん。そして幽霊祭り。道具を並べ、お塩、お酒、お米を供え、般若心経のお唱え。おかげで、「雪の戸田川」、無事に勤めることができました。満員盛況で、最後はお客さまも「キャーキャー!」と。
 楽屋に三遊亭円丸師匠が、近くの浅草演芸ホールの出番を終えて訪ねてくださいました。私も終演後、浅草演芸ホールへ伺い、柳家蝠丸師匠と何十年ぶりに再会。お江戸初日は誠にえええスタートをきらして戴きました。
浅草 木馬亭
かい枝さん、奈々福さん、曲師の美舟さんと 円丸師匠とたまさん
蝶の治さん かい枝さん、一海さん、梅の丞さん、円丸師匠
幽霊祭り 「雪の戸田川」

 「よこはま落語会。」 (2024/8/10)

 神奈川県立音楽堂にて、よこはま落語会「新治・喬太郎・兼好 三人会~第二幕」。番組は、「七段目」・新治、「宗漢」・喬太郎、「あくび指南」・兼好、(お中入り)、「猫の皿」・兼好、「竜田川」・新治、「ハワイの雪」・喬太郎。大入りで、途中何度も拍手が起こる盛り上がりでした。ありがたく勤めさせて戴きました。
喬太郎師匠 兼好師匠

 「圓朝忌。」 (2024/8/11)

 三遊亭圓朝師匠の「圓朝忌」。法要、奉納落語(三遊亭窓輝さん)、扇子供養、そしてお墓参りをし、応挙の幽霊の掛け軸まで拝観しました。たくさんの噺家さんや芸人さんと挨拶をさせて戴き、心は一挙に東京モード。いよいよ今日から、鈴本演芸場の夏祭り。精一杯勤めさせて戴きます。
 しかし、多くの芸人が見守る中、奉納落語をする窓輝さんはえらい。ネタは「田能九」。初めて聞かせて戴きましたが、おもしろい話でした。やりきった窓輝さんに拍手です。物故者の写真には、紙切りの正楽師匠が。去年は楽日に一緒に打ち上げをしたのに。合掌。
圓朝師匠のお墓 奉納落語会
さん喬師匠が会長としてご挨拶
物故者の写真 紙切りの正楽師匠(右)
お供養で戴いた「おそばとアンパン」

 「鈴本演芸場初日。」

​​​​​ 午前中の圓朝忌(法事)で気分は整い、早めに鈴本演芸場へ。一年ぶりの鈴本はいつもと変わらぬ佇まいでした。ここで毎年十年以上も高座に上がらせて戴いたと思うと「ありがたい噺家人生や」という感慨がこみ上げて来ました。
 ところが高座は過去最悪の痛恨の失敗でした。初日のネタにあろうことか「宇治の柴舟」をかけてしまいました。あれやこれやと考えたすえのことですが、さん喬師匠のネタ出しの「心眼」と、夢オチでもろかぶり。しかも高座を降りるまで気づかず。プロならしてはならないミスを犯してしまいました(プロミス。ゆうてる場合か!)。客席には落語ファンがたくさん。皆さん気づかれたと思います。さん喬師匠は、おおらかな方ですから、私が平謝りに謝っても、さらりと受け流して下さいましたが、それで済む問題ではありません。某師匠の口癖「ド素人が!」と言う声が頭の中を回ります。二度とこんなことの無いように心して勤めないと噺家失格です。

 「初日の楽屋風景」

 曲ゴマの紋之助さんが高座を降りてきたら、楽屋のテレビが「笑点」を放送中。なんとそこにご本人が出演。こんなタイミングに居合わせたありがたさ。満面の笑顔。楽屋大盛り上がりで写真を撮りましたが、その後あんな惨事が待ってるとは。トホホ。

 「なかの芸能小劇場。」 (2024/8/12)

 8月12日(月・祝)午後、中野区の「なかの芸能小劇場」での、さん喬師匠の独演会に出して戴きました。師匠のご指示で、なんとトリを勤めさせて戴きました。番組は、トーク「学校寄席、師匠、小さんと五郎。三遍稽古。恩送り」、「金の大黒」・小きち、「千両みかん」・さん喬、「ふろしき」・新治、(お中入り)、「寝床」・さん喬、「鹿政談」・新治。満員御礼! ものすごくうけてくださるお客さまで、久しぶりの鹿政談をなんとかやれました。

 「鈴本二日目も『立見』。」

 なかの芸能小劇場から、鈴本演芸場へ。なんと二日続いて立ち見! 高座からお客席を見ると圧巻です。こんな光景を見せて貰えるのはここだけです。ほんまにありがたい。ネタは「仏馬」。
立見の札 二日目、ネタ帳。

 「上野不忍池の蓮の花。」 (2024/8/14)

 上野不忍池(しのばずのいけ)。蓮の花がきれいに咲いてます。毎年の楽しみです。江戸の「蛸坊主」は、ここが舞台です。

 「鈴本の両師匠。」 (2024/8/15)

 自分のことで必死なので、私の前の人たちの噺を聞く余裕はありません。なので後半の、さん喬師匠、権太楼師匠の高座を勉強させてもろてます。毎年思うのは、お二人の圧倒的な迫力。特に今年はすごい。さん喬師匠、権太楼師匠、共に宝ものの高座。何か「覚悟のようなもの」すら感じます。袖から見て、さっき自分が上がった同じ高座と思えない隔たりを感じます。昔、NHKの上方落語会で、枝雀師匠の「蔵丁稚」を袖で聞いた時の気持ちの昂りが甦りました。あの時も、枝雀師匠がなんかずっと遠くのような気がしました。この隔たりを感じさせてもらうだけでも、東京へ来た意味があると思てます。

 「雨の不忍池。」 (2024/8/16)

 8月16日、朝の不忍池。それでも少ないけどジョギングの人が。蓮の葉に雨がたまり、時おり流れます。蓮のししおどし。
 鈴本演芸場、初日から中日までのネタです。
 ・宇治の柴舟
 ・仏馬
 ・竜田川(ちはやふる)
 ・ふろしき
 ・雪の戸田川
 「宇治の柴舟」と「雪の戸田川」は、鈴本では初です。今日から後半。願生ります。

 「鈴本演芸場六日目。」

 台風で危ぶまれましたが、結果は、当日券、立ち見も出る大入り。ちょうど夜席の間が雨足最高で、終わった頃には小雨になるというありがたさでした。「蛸坊主」を申し上げました。

 「楽屋にて。」 (2024/8/17)

 きく麿さん、一之輔さん。共にさすがの高座。
きく麿さん 一之輔さん


 「朝散歩。湯島天神。」 (2024/8/18)

 湯島天神男坂。柳田格之進が降りてくる?

 「鈴本九日目。」 (2024/8/19)

 寒空はだかさんと笑福亭笑助さんが、楽屋をのぞいてくれました。はだかさんは、落語協会に加入し、寄席で活躍されてます。
 楽屋にて。
さん喬師匠と喬太郎師匠
今をときめく、一之輔師匠、三三師匠。

 「鈴本千穐楽。」 (2024/8/20)

 千穐楽も立ち見でした。7日目(17日【土】)以外は、九日間「立ち見」。高座から見たお客席の迫力。反応、盛り上がりもすごかったです。
 鈴本演芸場、後半のネタです。
 ・蛸坊主
 ・鹿政談
 ・七段目
 ・中村仲蔵
 ・狼講釈

 鈴本演芸場の楽屋風景。
柳家小菊師
三三さん
楽一さん、さん光改め福多楼さん
千穐楽のホワイトボード
福多楼さん、楽一さん、小菊師匠
ジャグリングのストレート松浦さん

 「鈴本演芸場お盆興業。」 【2024/8/24 に届いた記事です】

 鈴本は、初日から「宇治の柴舟」がさん喬師匠のネタ出し「心眼」とつくという、大しくじりのスタートでした。そしてネタ選びと持ち時間の制約の中で、日々もがいた十日間でした。浅草演芸場の住吉踊りも見たかったんですが、そんな余裕もなくただただネタの準備をしてました。おかげで徐々に高座も調子が良くなり、連日立ち見という大盛り上がりの中で楽しく勤めました。さらには「雪の戸田川」「中村仲蔵」をかける事までできました。応援に駆けつけてくださる人も増えて来て、九州から来られて六日間通って戴いた方、木馬亭、よこはま落語会、鈴本初日、中野と来られ、一旦帰って、鈴本九日、楽日、更には中津川まで来られた、大阪と宝塚のご夫妻。他にもいろんな形で遠方から来て戴きました。そして東京のお一人は、木馬亭から深川江戸資料館の二人会まで、なんと「皆勤」して戴きました。他にも私が把握してない方がたくさんおられると思います。多くの方にお支え戴き、なんとか勤める事ができました。お部屋見舞いも持参して下さる方だけではなく、遠方から宅配便で送って下さる方などもおられ、芸人として支えられているんやと実感しました。お返しは高座と稽古に努めました。8月14日には、東北笑生会を立ち上げた、故増子隆(ますこたかし)さんを偲ぶ会を、東京在住の生野高校同期生とさせて戴きました。そしてやっと迎えた千秋楽の打ち上げ。そこに、林家正楽師匠がいないことになんとも言えない寂しさを感じました。一楽の頃から学校寄席で一緒になり、小正楽になられた時も鈴本でご一緒させて戴きました。内幸町ホールの独演会にもゲストで出て戴きました。そして打ち上げでは、いつも酔おてフニャフニャになって、よおネギなんかを鼻に突っ込んではりました。今回打ち上げでも、「長生きしてたら人間国宝になったのに」と惜しむ声がありました。浅草木馬亭から、横浜、中野、深川、さらには中津川とほんまに濃密な14日間でした。身の丈に余るありがたい日々でした。お支え戴いた皆様に心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。

 「さん喬師匠の独演会に。」 (2024/8/21)

 8月21日(水)深川江戸資料館小劇場にて、柳家さん喬師匠独演会。今回は、私と二人会にして戴きました。落語協会会長と、上方落語協会平(ひら)の二人会。もったいないやらありがたいやら。大入りの客席。鈴本効果か私にも声がかかるあたたかいお客さま。時間の制約がないのでのびのびと勤めさせて戴きました。
 番組は、「平林」・小きち・「鹿政談」・新治、「夢の酒」・さん喬、(お中入り)、「猿後家」・新治、「笠碁」・さん喬。
開口一番・小きちさん
さん喬師匠

 「第13回西生寺落語会。」 (2024/8/22)

​​​​​​​​​​ 8月22日(木)は岐阜県中津川市へ。西生寺落語会は、なんと言っても檀家さんを中心としたスタッフがすごい。細かく役割分担をして、きちんと準備して戴きました。終わっての懇親会の盛り上がり。お寺と門徒さんの結束を強く感じさせて戴きました。 特に今回は、手すりつきのすばらしい高座!なんと、お寺を建てた宮大工さんの力作です。落語会だけのために作って戴いた豪華な高座。ほんまにありがたい限りです。オリジナルの高座は、広島の法光寺様に続いて二か寺め。願生って続けねば。東京深川からの流れでお越し戴いた関西の方も3名。満堂のお客さまて大盛り上がりでした。
 番組は、「前説人権話」・新治、「浮世根問い」・幸吉、「居酒屋」・福若、(お中入り)、「幇間腹」・幸福、「狼講釈」・新治。

 「繁昌亭昼席。」 (2024/8/24)

 8月24日(土)、繁昌亭昼席。松喬さんの代演です。前から押してたので、狼講釈を15分でやりました。「落語は省略の芸」とのこと。鈴本で、「中村仲蔵」、「雪の戸田川」を20分でやれたのは収穫です。過去にも「猿後家、口入屋、船弁慶、魂切源五郎、深山隠れ」に挑戦しました。これから、いろんな噺を短くして、高座にかけていきたいです。

 「ハルカス寄席。」 (2024/8/27)

 夏の噺として、大丸屋騒動をかけました。前回いつやったか覚えてません。ほんまに久しぶりでした。たぶん今年、最初で最後になると 思います。やれてよかったです。
文鹿さん 鉄瓶さん
弥っこさん、三象さん かい枝さん

2024年9月

 「鳥取県江府町にてお笑い人権寄席。」 (2024/9/1)

 鳥取県江府町には、かつて露の新治を育てる会江府支部がありました。江府町人権文化センターが改装されたお披露目の催しで、久しぶりに伺いました。台風の影響もなく青空に翻る幟は、三本とも江府支部の幟。久しぶりの再会に感無量です。
 午前中は餅つき大会。午後からお笑い人権寄席。番組は、「お笑い人権高座」・新治、(お中入り)、「太神楽曲芸」・豊来家玉之助、「狼講釈」・新治。満員御礼。第二会場を作り中継も。昔「春を呼ぶ寄席」を支えて下さった懐かしい人たちと再会し、存分に勤め、お笑い戴きました。皆さん、神戸の名人選や鈴本演芸場に出演を喜んで下さいました。お祝い芸の玉之助さんの獅子舞や屋外での「雲水」の芸も大好評でした。
雲水の芸

 「喜楽館初日。」 (2024/9/2)


 「喜楽館二日目。」 (2024/9/3)

 たまたま喜楽館へ早く入ったら、秋に襲名のお二人が記者会見と挨拶に来られてました。枝光改め、桂梅枝、三風改め、桂慶枝。めでたい場に居合わせて嬉しかったです。おめでとうございます!
伊藤史隆支配人、山本憲吾マネージャー
三風改め桂慶枝さん、枝光改め桂梅枝さん
桂枝光(梅枝)さんと

 トリの小春団治師匠がラジオ出演のため、トリの代演。江戸では「代ばね」というらしいです。気合を入れて「大丸屋騒動」をさせて戴きました。

 「喜楽館三日目。」 (2024/9/4)

 「喜楽館四日目。」 (2024/9/5)

 喜楽舘仲日。ラジオ関西で、9月21日(土)の神戸文化ホール「東西名人選」の告知をさせて戴き、局を出たのが14:15、喜楽舘の出番が14:43という売れっ子並みのスケジュール。「狼講釈」を中手(拍手)も戴き気持ちよく勤め、終演後お見送りをしてたら、お客さんから声をかけて戴きました。なんと十年前、「上海で落語を聞く会」の公演に来られていた谷川さん。その頃お仕事で上海に滞在されていて参加されたとの事。喜楽舘の表に出てた看板で私の名前を見て、飛び込んでくださったそうです。たまたまマクラで、上海で小咄をやった時の話をしたのもご縁です。落語がお好きで、喜楽舘の「タニマチ」にもなっておられます。写真はその時のツーショット。お願いして送って戴きました。もお10年になるのですね。ありがたい再会でした。
谷川さんと「タニマチ」のプレート前で
2014年7月、上海にて。
喜楽館ねた帳
(ラジオ関西のゲスト出演を、9月12日(木)までradikoで聞けます。リンクはこちらから。
 「喜楽館五日目。」 (2024/9/6)

 開場を知らせる「一番太鼓」、打ち手は月亭柳正さん(方正門下)。その紹介と盛り上げ。かなりの人だかりができ、桂三ノ助さんが交通整理をするほど。おかげで、通りがかりの人がお一人入場してくれました。やってみるもんです。
神原英夫さん(高校同級生)撮影。
久しぶりの「紙入れ」。

 「奈良町・徳融寺おとなの寺子屋。」 (2024/9/7)

 喜楽館をお休みさせて戴き、奈良町・徳融寺さま「おとなの寺子屋」へ。楽屋お見舞いを携えて住職の知り合いが来られました。その方、樽谷さんは「私も主人も生野高校出身です」と言われ、話に花が咲きました。すると、同期の雪本さん(同窓会前会長)の姿が。なんでも前回、生野高校出身の人が講演し、ご縁ができて、私の出番を知ったとか。さらには、同期の今川夫婦も駆けつけて戴き、お客さんの中の「生野の割合」が高くなりました。奈良のお寺でこんなことがあるんです。ご縁の不思議さを思いました。暑い本堂で、お話と落語「猿後家」。汗だくになりましたが、ありがたく、楽しく勤めさせて戴きました。
 45年前、なら労音主催で「徳融寺みそか寄席」をやってました。その出演者芳名録です。林家染三門下の私は出番を戴けませんでした。頼まれてプログラムに噺家やネタの解説を書いてました。ペンネームで書いていたのは、さすがにほろ苦い思い出です。
徳融寺。
「みそか寄席」出演者芳名録

新治さん、樽谷さん、雪本さん

 「楽日は鹿政談で。」 (2024/9/8)

 人数も増え、ええ感じのお客席。鹿政談を申し上げました。気持ちよく打ち上げさして戴きました。ありがたい一週間でした。

喜楽館楽日の楽屋。

 「喜楽舘、ふりかえり。」

 喜楽館。七日興行のうち六日間の出番でした。定席は皆勤を目指してますが、徳融寺の「大人の寺子屋」は去年のうちに決まっていたので行かせて貰いました。なんと六日間皆勤して戴いた方がお一人。それも京都から連日。四日来て戴いた方がお一人。表で私の名前を見て入って戴いた方がお一人。私が確認できた範囲ですが、ほんまにありがたいことです。鈴本もそうですが、定席に来て戴く方々はとりわけありがたいお客さんです。六日間皆勤の方は、タニマチチケットという割引を使われません。聞けば「ちょっとでも足しになったらええと思いまして」と。これぞ「誠のタニマチ」。タニマチチケットを使わないタニマチ。そんな方がいてくださることに気づかして戴いた今席でした。東京でいつも「寄席を大事にしてきた噺家の底力」を実感させて戴いてます。遅すぎますが見習います。喜楽舘へお越し戴いた全ての方に心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。
 「久しぶりの。」 (2024/9/8)

 久しぶりの「ちかん あかん! 助けな あかん!」


 「さん喬師匠の記事。」 (2024/9/9)

 さん喬師匠が落語協会会長に就任の記事です。共同通信の発信で、全国の地方紙に載りました。香川の四国新聞8月29日掲載分を、元市教委課長の野郷先生が送って下さいました。最後のほうに「言葉でわらわせるのではなく、情景を想像して貰えるような話芸を大切にしてほしい」とあります。「くすぐり一筋 」の私は耳が痛い!トホホ。

 「ハルカス寄席大入り!」 (2024/9/10)

 一部は雀々師匠人気で超大入り。かなりの方が二部も残って戴き大入り。よく盛り上がりました。帰りに阿部野橋の陸橋を渡っていると、皆さんがカメラを東の空に向けてます。見るときれいな虹が。近年こんな虹にお目にかかってません。思わずパチリ。
鉄瓶さん、源太さん

 「蛸坊主。」 (2024/9/11)

 落語「蛸坊主」は元々、上方の噺です。それが先代林家正蔵(八代目、稲荷町)に伝わり、師匠五郎兵衛が正蔵師匠から教わり、上方に戻したものです。途中いきなり芝居風になります。芝居好きの五郎兵衛は、この場面を実に活き活きとやってました。お稽古の際も、目の前に私一人しかいないのに「本息」でやってくれ、その声の大きさにびっくりしたのを思い出します。「六部三十」という三味線が入るのですが、初めの部分で間が持ちにくいのです。今回のハルカス寄席では、かなりたっぷりとやれました。ツケもはまり気持ちよく勤めることができました。「中村仲蔵」とともに、正蔵―五郎兵衛―新治と伝えて戴いた噺で、仲蔵は何人かの方にお稽古をさせて戴きましたが、蛸坊主はまだどなたにもお伝えしてません。私自身があまりやらないのもその一因かと思います。ハルカス寄席はその意味でも、ありがたい場です。今月末の繁昌亭昼席でもやってみようと思います。

 「テント忌。」

 今年もテントさんの命日が近づいてきました。満八年目になります。ご命日は9月27日ですが、お墓参りは前日の26日になりました。こないだも喜楽館の楽屋で、テントさんの話が出ました。その人のことを思い出したり、話題にした時には、まだ「その人は死んでない」そうです。お墓参りや法事はそのためにあるのかなと思います。もしお墓参りをしたいという方があれば、ホームページにご連絡下さいませ。お墓の場所をお教えさせて戴きます。最寄り駅は、近鉄大阪線、河内山本駅です。写真は CDのカバーの写真です。テントさんの嬉しそうな顔を見てください。

 「読売新聞のさん喬師匠の記事です。」 (2024/9/12)

 京都のmarutetoさん(鈴本も深川のさん喬師匠の会にもお越し戴きました)から、さん喬師匠の記事を送って戴きました。「いつまで生きるのかわかんないのなら(年齢で)見切りをつけるのはもうやめようと。まだまだやれると思っています」、私もそう思います。つい「あと何年やれるかな(やる気かい!)」とか「あと二年で後期高齢者」とか考えてしまいますが、ほんまは「今日とも知らず、明日とも知らず」の危うい命。昨日は過去、明日はまだ来ていない。「今しかないんや」と意識して今を、今日を大事に生きていきたいとおもてます。さん喬師匠は、ほんまにありがたい先達さまです。

 「門戸寄席 第24回記念露新落語会(最終回)。」 (2024/9/15)

 最高の落語会でした! お越し戴き、最終回を見守り、盛り上げて下さった皆さま、本当に、本当にありがとうございます。東京、大阪、京都、奈良、各地から西宮までご足労戴き、本当にありがとうございます。満員札止めのお客席を見て胸がいっぱいになりました。これだけの方々が、私と新幸のためにお集まり戴いた。先日の喜楽舘昼席といい、私の話を楽しんで下さる方が確実におられるという手応え。ほんまに嬉しかったです。お気持ちにお返しできるのは高座と、精一杯勤めさせて戴きました。
 私と新幸の勉強のために、当時新幸が経営していた「太陽と月」で始めた「露新軽口噺」。そこから野村さんの提案で発展した「七十噺」。そこでかけたネタを練るために山口さんが提案してくれたのが「露新落語会」。私の噺家人生の二大事業です。おかげで落語に対する腹が座りました。今回も改めて思いました。「滑稽噺こそ王道」。「書割盗人」はバーチャルごっこ。「立ち切れ」は人情噺ではなく、泣かす話でもなく、あくまで落語。「くやみ」は、死を笑い飛ばし、「目薬」と共に「自分を幸せにできるのは自分」やという、幸せの一つの形を見せてくれる。全てを引き受けて落語はある。生き残った人間は、生き続ける。そしていずれ確実に死ぬ。昨日は過去で、明日はまだ来ていないし、来るとも限らない。そんなら、あるのは今だけ。今、今、今日、今日。今をこそ楽しく、愉快に生きねばと思います。そのための落語です。落語があってよかった。落語と出会ってよかった。しみじみそお思えました。
 珍しいはやしや薫子(ゆきこ)師匠の高座。最終回なのでご祝儀にと、ご自身から提案戴きました。ありがたい。6年間、レギュラーで下座を勤めて戴きました。私も高座姿は初めて拝見しました。
 最後に缶ビールをお配りして全員で乾杯。ほんまに、ほんまにおいしかった。涙が出るほどおいしかった。一緒に乾杯して下さった方々。ありがとうございました。またどこかでお会いできればと思います。どうぞお元気で。ありがとうございました。


 「女→め。」 (2024/9/16)

 「めぐすり」の補助紙。話術の足らんとこはビジュアルで! 70過ぎてこんなもんに頼った人はおらんやろなあ。トホホ。

 「第50回川上村シニアの集い。」 (2024/9/18)

 番組は、一部 記念式典、表彰式。二部 「前説」・新治、「津軽三味線演奏、歌」・二代目宮史郎、落語「目薬」「紙入れ」・新治、「マジックショー」・亜空亜SHIN。
二代目宮史郎 亜空亜SHIN 記念撮影

 「亜空亜shin(アクアシン)、マジックディナーショー。」 (2024/9/19)

 昨日、川上村シニアの会で拝見した二代目宮史郎さん、亜空亜shinさん。ほんまに見事な舞台でした。宮史郎さんは、前半津軽三味線演奏、後半は着流しになっての歌謡ショー。プロ歌手の歌に会場は大盛り上がり。そして亜空亜shinさんのマジックショー。完全パッケージのむだのない構成。息を呑む展開。変面から、マジック。皆さん息をのんで見つめ、感心してはりました。ほんまにええ催しにしていただきました。その亜空亜shinさんが、マジックディナーショーを開催されます。プロデューサーは、高井ギャラ師。シークレットゲストは大物歌手。私は仕事で参加叶いませんが、お薦め致します。堪能されると思います。
〇 『亜空亜shinマジックディナーショー』
 日時:11月17日(日)17:00~
 会場:ホテルアウィーナ大阪(大阪上本町、旧なにわ会館)
 料金:¥15,000
 問合せ:090-7888-9544
何とぞよろしくお願い致します。新治拝

 「鈴本演芸場の写真。」 (2024/9/21)

 演芸写真家の第一人者で、落語会のプロデュースもされている橘蓮二さんが、8月の鈴本演芸場の楽屋姿や出番の写真を撮ってくださいました。舞台袖の出番直前の写真を見て、改めて、あんな顔してるんやなあと思いました。
【橘さんがエックスに投稿された時のコメントを紹介します。「露の新治師匠『鹿政談』、この日初めて撮影させていただいた。楽屋での立ち居振る舞いの上品さ、端正な高座、どこを撮っても美しい。魅了されました。」舞台の写真はこちらから。(MORI)】
 「東西落語名人選。」 (2024/9/21)

 ありがたいことに、旧知の方々が各地からお越し下さいました。私が把握してるだけでも、地元兵庫はもちろん、東京、横浜、名古屋、福井、三重、奈良、大阪、京都、香川、鳥取、福岡、長崎、そして高校同期生、解放同盟芦屋支部や新社会党の方々。皆さん、「新ちゃんの晴れ舞台や」ということで駆けつけて戴きました。それだけこの名人選は大舞台なのです。お見送りをしていて、多くの落語ファンからもお声がけを戴きました。「深川のさん喬師匠の会にも行きましたよ」という方が数人。落語ファンにも知られてきてるという実感がしました。ほんまにうれしいことです。自分が多くの人に支えて戴いてると実感できた大舞台でした。なんとか無事に勤められて、ホッとしてます。今日の名古屋も楽しみです。
柳家三三師匠 桂文枝師匠
広島さんから豪華なお花を戴きました。
 写真は1996年、28年前の名人選ネタ帳です。二つ目が、歌丸、そこから仁鶴、小さん(人間国宝)、染丸、先代春団治、先代文枝の師匠方(敬称略)。すごい顔付けです。

 「あきつ落語会・第三回露の新治独演会。」 (2024/9/22)

 名古屋大須演芸場にて、三回目の露の新治独演会。おかげさまで大入りでした。東京、大阪、京都、遠くは長崎から駆けつけて下さる方もおられ、誠にありがたいかぎりです。番組は、「兵庫船」・新治、「口合小町」・新幸、「中村仲蔵」・新治、(お中入り)、「ギター小咄」・新幸、「井戸の茶碗」・新治、糸・絹代、鳴り物・桂蝶の治。大入叶。

 「第25回大乗寺彼岸寄席。」 (2024/9/23)

 先代住職、福本憲応師からもお30年のお付き合い。現、福本群住職のご好意で続いてます。一部:お勤め(読経)、二部:落語会。番組は、「前説」・新治、「書割盗人」・露の瑞(つゆのみずほ)、「政治漫談」・河内亭九里丸(前東大阪市議、松平要さん。大叔父が、花月亭九里丸)、「中村仲蔵」・新治。檀家様に加え、遠方からのお客さまもおられ満堂。ありがとうございます。

 「繁昌亭昼席から襲名披露パーティーへ。」 (2024/9/24)

 繁昌亭昼席。ネタは「まめだ」。夜は、桂梅枝、桂慶枝ダブル襲名披露パーティーへ。おめでたく、華やかで出席してよかった。ええご披露でした。お二人に輝かしい未来が来ますよおに。
三風改め、桂慶枝さん
枝光改め、桂梅枝さん
落語協会常任理事、柳家喬太郎師匠
乾杯のご発声
 

 「繁昌亭昼席。」 (2024/9/25)

 火曜日より繁昌亭昼席に出ています。書生節「旭堂南海、宮村群時のお二人」。

 「テントさんのお墓参り。」 (2024/9/26)

 テントさんのご命日(9月27日)に一日先駆けて26日に、お墓参りをしました。浄土宗仏國寺の岡典正住職(熱烈テントファン)の墓前法要に、御法話。文福、ギャラ、福楽、福助、八尾のしんちゃん(フォークシンガー・テントさんの幼馴染み)、新治が出席(漫才の幸助さんは、お布施参加)。亡くなって丸八年、残ってるみんなが願生って、テントさんに喜んで貰おうと誓い合いました。来年は丸9年。テントさんのギャグ「きゅうやもん!」にちなんで「丸9年の偲ぶ会」をしようという話も出ました。先ずはそれまで元気でおろうということになりました。

 「繁昌亭昼席中日(なかび) 。」 

 テントさんの墓参から、繁昌亭昼席へ。昼席は一週間興行ですから、木曜日が中日(なかび)。今日はお客席に、奈良女子大の学生さんが40人ほど。他にも、京田辺大住ヶ丘からの団体さんもあって、一階席がほぼ埋まりました。私が高座に出ると「待ってました」もかかり絶好調。ネタは「紙入れ」 。きわどい話も入れて楽しくありがたく勤めさせて戴きました。

 「袴田さん冤罪事件。」 (2024/9/27)

 久しぶりにうれしいニュースですが、当然の判決やと思います。58年。余りに長すぎましたが、とりあえず無罪判決が出て、ホッとしました。狭山事件の集会のたびに参加され、挨拶をされていた、姉の秀子さんの姿を思い出します。次は、次こそ狭山(事件)です。袴田さん、58年。石川一雄さん、なんと61年です。死刑への恐怖、拘禁状態のストレスで精神を傷つけられた袴田巌さんは、無罪判決への感想も述べられません。高齢の秀子さんがお元気なのが、せめてもの救いですが、「人の人生をなんやと思てんねん」と思います。狭山事件の石川一雄さんがお元気なのは、不幸中の幸いですが、既に85歳。一日も早く再審が開かれるよう願い、ささやかながらできることをさせて戴くつもりです。 通称『袴田事件』に関しては、改めて自分の考えを申し上げたいとおもてます。

 「次は狭山だ(毎日新聞)。」

 狭山パンフを読む会、Hさんより。9月27日(木)『毎日新聞』朝刊。
 埼玉面「よかった 次は狭山だ」


 「繁昌亭昼席。」

 「竜田川」を申し上げました。「鶴瓶やさんまに電話できるか、長澤!」はアドリブ。楽屋、舞台袖狙いでしたが、不思議なことに、お客さんもわろてくれました。仁昇さんが、刑務所の受刑者矯正教育を担う篤司面接委員の仕事で休演。そこに、お江戸からなんと、入船亭扇遊師匠が!(夜席、桂文之助師匠の会のゲストで来阪)。楽屋ではニコニコ、高座はキリッと粋に格好よく。江戸落語のええとこを余すことなく感じさせて戴きました。さすが紫綬褒賞! 扇遊師匠と同期の桂文福師匠も楽屋へ来られ、話に花が咲いてました。
一番太鼓、林家勘左(染左一門)。呼び込み、新治。
扇遊師匠と。

 「信貴山千手院さま。」 (2024/9/28)

 竜田川沿いの近鉄生駒線に乗り、信貴山千手院(せんじゅいん)へ。超満員。大盛り上がり。「お笑い健康高座」。ほんまによおわろて貰いました。その後、繁昌亭昼席へ。こっちもよく入って戴きええ、雰囲気。「竜田川」を楽しく申し上げました。
竜田川駅
世界一福寅
千手院様
満堂のお客様

 「繁昌亭昼席。」

 千手院様から繁昌亭へ。昼席一番太鼓、打ち手は、小枝門下の桂かかおさん。
桂かかおさん。TYさん撮影。
虹友美さん撮影。

 「繁昌亭、千秋楽は『七段目』。」 (2024/9/29)

 今まで、格好ええ「七段目」を目指してきました。これは、芝居好きの師匠、五郎兵衛の影響です。また五郎兵衛の芝居噺は、自身が藤間流の名取で、所作も台詞もほんまに見事でした。私もそれが正しい七段目やとおもてました。けどできません。当たり前です。踊りが身についてないからです。今日の繁昌亭では、「若旦那と丁稚が芝居ごっこをしてる気分」でやらして貰いました。形はガタガタでしたが受けました。「私はこれでええんや」と思いました。「七段目」は芝居噺ではありません。芝居ががりの落語です。噺は、オチ(下げ)がある限り「落とし噺」、すなわち落語です。私は五郎兵衛の正本芝居噺「加賀見山」や「瓢箪場」を鳴り物の手伝いとしてついてました。「瓢箪場」では、竹ボラまで吹いてました。その時は正直いやいやお供をしてましたが、今となっては、ほんまの芝居噺に触れる貴重なありがたい勉強をさせて戴きました。「七段目」を芝居噺風にやれたら、それはそれで見応えのあるええ噺です。けど私は、あくまで落語としてやっていきたいとおもてます。笑える七段目を目指してます。今日はかなりうまくいったと思います。「大丸屋騒動」も「中村仲蔵」も私は落語としてやらせて戴きます。わろて貰います。


動画(mp4)
三味線、和女師匠。太鼓、かかおさん。ツケ、そうばさん。
虹友美師匠、撮影。
お見送りの後、みんなで。

 「繁昌亭昼席。」

 六日間の出番でしたが、精一杯勤めさせて戴きました。喜楽館や動楽亭、鈴本、ハルカス寄席とも違うお客様。まして自分の勉強会、独演会と全く違うお客様。噺家にとって一番高いハードルではないかと思います。「寄席がなかったら噺家は育たん」。「上方に定席を」が悲願だった師匠五郎兵衛の言葉の意味がようやく分かって来ました。6日間のネタは、「まめだ」、「ふろしき」、「紙入れ」、「竜田川」、「竜田川」、「七段目」。連日お見送りをさせて戴きましたが、毎日お見かけする方もおられ、ほんまにありがたい限りでした。噺家になってよかったとしみじみ思える日々でした。お支え戴いた皆さまに、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
伏見紫水師匠。 桂春若師匠。 一番太鼓デビューを果たした桂文りんさん(文枝門下)

 「虹友美師匠が新治グッズをご愛用。」

 繁昌亭の楽屋で、虹友美師匠が、新ちゃんグッズのエコバッグを持っておられました。聞けば、まつばら落語会でゲストでお願いした時に購入して戴いたとのこと。ありがたいのでお報せします。おかげさまでこのエコバッグは完売。ありがたいかぎりです。

2024年10月

 「袴田さんのドキュメント番組。」 (2024/10/3)

 京都のTNさんからのお報せです。金聖雄監督のキムーンフィルム(Kimoon Film)制作の袴田巖さん・ひで子さんを取材したテレビ番組がNHKで放映されます。釈放されてからの10年、『夢の間の世の中』の頃、そして判決の日、翌朝のようすも盛り込んだ1時間番組だそうです。ぜひご覧ください。
〇 NHK ETV特集『巖とひで子 ~袴田事件58年後の無罪~』
 時間:10月5日(土)23時から
    *再放送は10月9日(水)24時から

 「大須演芸場の独演会のブログ。」

 先日の大須演芸場の独演会について、 アマンバさん(愛知県あま市)がブログに書いて戴きました。ご本人の了解を得て、紹介させていただきます。
 「アマンバのブログ」 落語会 『露の新治独演会 その三』 ~ 第36回 あきつ落語会

 (へらへらメールのほうに、ブログの本文を掲載しています。MORI)

 「『京都北野天神・もみじ寄席』のご案内。」 (2024/10/8)

 今年も露の五郎兵衛一門の「もみじ寄席」を開催します。新治の出番はありませんが、一門の若い力の魅力満載です。秋の京都散策と併せてお楽しみ下さいませ。何とぞよろしくお願い致します。
○ 京都北野天神・もみじ寄席」
 日時:11月17日(日)15:00開演
 会場:京都市上京区 北野天満宮 文道会館ホール
 出演:都、団四郎、吉次、眞、紫、瑞、棗、新幸、陽照(あきら)。
 席料:¥3,000 ※もみじ苑入苑料含む(お茶券付き)
なお、14:00より「露の五郎兵衛の碑」にて碑前祭を行います。ぜひ、ご参拝下さいませ。

 「露の団姫独演会。」 (2024/10/13)

 10月13日(日)繁昌亭夜席、「露の団姫独演会」。先ずはめでたい満席! 一門にこれだけの集客力がある人がいてるのがありがたい。一門の宝です。機嫌よお、「七段目」を申し上げました。よおわろて戴き、助かりました。トークコーナーは、私と団姫の「禁断のあの話」。団姫の顧問弁護士さんまで登場(そんな人がいてることがすごい!)し、おかげで盛り上がりました。写真は、漫才のアルミカン。左がこの日が誕生日の赤坂さん、右が高橋さん。
アルミカンの赤坂さん、高橋さん。

 「ハルカス寄席、『つる』にチャレンジ。」 (2024/10/15)

 開口一番で「つる」。「『つる』は決して前座噺ではない。中ネタや」五郎兵衛がよおゆうてました。ほんまにそおです。今回その事がよお分かりました。降りてから、雀々さんと「つるは難しいけどやりがいがある」と言う話になりました。貴重なアドバイスも戴きました。次から試してみます。「ハルカス寄席」はありがたい挑戦ができる寄席です。浪曲の菊地まどかさんは、テイチクからメジャーデビューされてる歌手。ユーチューブでもそのすばらしい歌声を聞いて戴けます。ぜひ!
ナオユキ  雀々 生喬、鉄瓶、まどか、友美
二番太鼓。大太鼓(オオド)生喬、締太鼓(シメ)雀々。(撮影、虹友美)   1部、2部の出し物。

(敬称略)
ネタ帳

 「旭堂南照独演会。」 (2024/10/20)

 国立文楽劇場小ホールにて、旭堂南照独演会。昼夜二回公演で、二回とも大入り。番組は、
一部:「オープニングトーク」、「大塩の謎解き」・南鈴、「春日局」・南照、「二度目の清書」・神田紅、(お中入り)、「大つごもり」・南照。
二部:「オープニングトーク」、「那須与一扇の的」・南和、「夫婦(めおと)相撲」・南照、「竜田川」・新治、(お中入り)、「井戸の茶碗」・南照。
 講談「細川の茶碗屋敷」を落語にしたのが「井戸の茶碗」。今回それを、講談に仕立てての一席という、なんでも無いように思えますが、かなり珍しい形。これが成功しました! 南照さんの「おはこ」になると思えるええ高座。笑いも多く、講談に新しい風が吹く予感がします。応援に来ていたマジックのビックリツカサさんが大絶賛。南照さんは、私と同じ町内(大阪市生野区新今里町四丁目)の出身で、小中学校、塾も一緒というご縁。優秀な地元の後輩です。来年はキャリア15年、江戸なら真打ち。大輪の花を咲かせてほしいです。

 「レッスンプロ繁盛してます。」 (2024/10/21)

 桂勢朝師匠が「井戸の茶碗」のお稽古に。もう十分あがってるのですが、熱心に稽古されます。それで、昨日「井戸の茶碗」をやった旭堂南照さんにその旨をお伝えしたら、「一緒に勉強したい」と駆けつけてこられました。昨日、大きな会を成功させ、自身、30分の長講を四席こなされ、お疲れのはずやのに。お二人の熱意に感心しました(感心してるだけではあかんのですが)。今日もいろいろ気づかして貰うことも多く、「井戸の茶碗」をやりたくなりました。落語と講談の「井戸の茶碗」をたっぷり聞かして戴き、「演芸ファン?」として至福の時間でした。勢朝師匠は11月2日、繁昌亭夜席の独演会のトリネタとしてこの噺をかけはるそうです。どうぞお楽しみに!



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