新ちゃんの へらへら日記



2023年10月

 「喜楽館初日、『千早ふる』。」 (2023/10/2)

 人数は少なかったのですが、やらせ上手のお客さんで助かりました。喜楽館のお客さんは、ほんまにあたたかいええお客さんです。

 「喜楽館二日目、『紙入れ』。」 (2023/10/3)

 めったにやらなくなったのですが、お稽古をさせて戴いた笑助さんがおられたので、久しぶりの「紙入れ」。マクラでハプニングがありました。両手をパンと打ったとたん、指が伸びておらず爪が指先に当たりました。はずみというのは恐ろしいもので、少々出血しました。これがほんまの出血大サービス? お茶子さんが傷テープを持って出てきてくれて、舞台で手当てをして貰うという、初めての経験をしました。その後は楽しく勤めさせて戴きました。

 「喜楽館四日目、『七段目』。」 (2023/10/5)

 喜楽館昼席中日、「七段目」。
ネタ帳

 「喜楽館夜席、元気寄席。」

 昼席に続いて、続けて喜楽館夜席「元気寄席」。ネタは「鹿政談」。
桂三象師匠、寄席の踊り

 「春日中学校・ふれあい文化祭。」 (2023/10/6)

 コロナ禍以来、初めての三本かけもち。先ずは、奈良市立春日中学校・ふれあい文化祭。45年前に「奈良に夜間中学を」と市民運動でできたのが、春日中学夜間学級。夜間学級の校舎の前に立つと、初めての入学式の会場設営や飾り付けでバタバタしたのがついこないだのような気持ちになります。市民団体「奈良に夜間中学を作る会」、当時最年少の私はその使いっ走りをさせて戴き、ほんまに学ばせて貰いました。戦争と差別がどれだけ人を苦しめるか。その中にあっても人間の生きる力は枯れないという驚き。当時は「義務教育未修了者・生徒さん」のことで必死でした。生活相談で一緒に役所に行ったり、市教委、県教委交渉、街頭宣伝、署名活動、そして基礎学力を取り戻す学習の支援をしたり。当時の事務局で生き残ってるのは二人になりました。その春日中学で今学んでいる生徒さんに落語をするという、ありがたい、ありがたい場を作って戴きました。校長室にはずいぶん昔の私の壁掛けがあり、「ずっと掛けて戴いてたこと」に、感動、感謝。

​​​​​ 「喜楽館五日目、『中村仲蔵』。」

 春日中学から神戸新開地の喜楽館へ長距離移動。生徒さんのお陰で気持ちも高揚。お客さんはほんまに少なかったが、袖で聞いてていい空気。高座とお客席の一体感を感じ、思いきって仲蔵を。ノリノリでやらせて戴いた。

ネタ帳

 「林家染吉GP準優勝記念独演会。」

 喜楽館から繁昌亭へ、三カ所目の現場。コロナ禍以来、初めての一日三本の仕事です。そして、喜楽館と繁昌亭の掛け持ちも初めてのこと。「上方落語若手グランプリ」で準優勝の林家染吉師の会。ネタは会主のリクエストで「紙入れ」。こちらもノリのええお客様のお陰で絶好調。染吉師はトリで「雪の戸田川」。一緒にお稽古をさせて戴いたネタです。見事に自分のものにされてあり、お客様も納得の反応。お紺に切りつけ、川に突き落とす膝立ちの形の良さ。「悪」が際立ち怖さを感じます。染吉師の、来年の若手グランプリの「あれ」を祈って乾杯。ありがたい、ありがたい一日は、上々の首尾で幕を閉じました。長いことやってたら、こんなええ日もある、そう思えた幸せな一日でした。

 「今日もダブル。」 (2023/10/7)

 喜楽館昼席は「抜け雀」を。終わって、谷町六丁目の桃園(とうえん)会館へ。大阪講談協会の桃園寄席。旭堂南慶、南照先生、笑福亭呂翔さんと共演。講談が二席あるので、釈ネタを避け「竜田川」をネタ出し。この会は地域の人たちのためのものなので外へは告知をしません。常に満員。15年続けているので、お客様は聞き上手、笑い上手。今までで一番受けた竜田川にして戴きました。お客様に乗せて貰いました。今日も、ありがたくも幸せな一日でした。

 「喜楽舘千穐楽。」 (2023/10/8)

 楽日は「狼講釈」。ありがたい事に途中で拍手が起こる盛り上がりでした。千穐楽、ええ形で勤めさせて戴きました。七日間、長かったのですが充実してました。喜楽舘は人数は少ないのですが「やらせ上手のほんまにええお客様」です。なんと皆勤の方もおられ、おかげでありがたく、楽しく七日間勤めさせて戴きました。お支え戴いた皆さま、本当にありがとうございました。次の喜楽舘の出番は12月13日昼席です。12月11日~17日までは「忠臣蔵特集」で毎日忠臣蔵に因んだ噺が出ます。私は「淀五郎」を申し上げます。こちらもよろしくお願い致します。

 「北野天満宮『もみじ寄席』の案内。」 (2023/10/8)

 これは師匠二代目露の五郎兵衛が、初代五郎兵衛を顕彰するために建てた「露の五郎兵衛の碑」の奉納落語会です。今年も12月3日(日)に、一門から9人が出て賑やかに行われます。これだけは盛況にしなければと、皆チケットの販売に願生って取り組んでいます。何とぞよろしくお願い致します。
〇 北野天満宮 「もみじ寄席」
 日時:12月3日(日)15:00~
 会場:北野天満宮内 文道会館
 出演:都、団四郎、新治、ききょう、眞、紫、瑞、新幸、陽照(あきら)
 料金:¥2,500(もみじ苑入園券・お茶券含む)
 寄席に先立ち14:00から五郎兵衛の碑の前で、「碑前祭」が行われます。こちらにもぜひご参拝をお願い致します。

 「秋の味。」 (2023/10/26)

 知り合いから戴きました。手作りの栗の渋皮煮。こおいうものが、しみじみ美味しいと感じるようになりました。ありがたいことです。お茶を丁寧に淹れて戴きました。

 「京都府精華町照光寺様。」 (2023/10/28)

 真宗大谷派(東本願寺)照光寺様にて一席。こちらの前住職・東光真澄さんとは、47年前(古い話や~)、奈良に夜間中学を作る会で共に活動した仲。当時東光さんは、奈良の正強高校の先生。正強高校の教職員組合は「正強学園労働組合」と言って、教職員だけでなく管理作業員など現業職員も組合員の、わけへだてのない組合。そこから奈良総評へ出向するという、まさに教師聖職論とは真逆の「教育労働者」。そして、「奈良私設夜間中学、通称 うどん学校」の数少ない生き残り。あと生き残ってるのは、確認できる範囲ではジャーナリストの川瀬俊二さんぐらい。東光さんは、今は保護司をされており、私も奈良少年刑務所で篤志面接委員を勤めさせて戴いたり、何かとご縁があり、今回の高座に招いて戴きました。満堂のお客さまは誠に聞き上手で、まさに「話しべた 笑いじょうずに助けられ」状態。ええかげんなことばかりしてきたのに、ありがたいご縁に導かれて楽しい高座を勤めさせて戴く。幸せな噺家人生やとつくづく思います。

2023年11月

 「10・31。」 (2023/11/1)

 10月31日 49年前のこの日、狭山事件の高裁判決が寺尾裁判長によって出され、多くの人の期待を裏切りました。明々白々の冤罪事件なのに言葉を弄びながらの差別判決。私が初めて「お上のやることにも間違いはある」と知った日です。東京、日比谷野外音楽堂では「狭山事件の再審を求める市民集会」が開かれ、全国から多くの方が参加されました。私は参加しませんでしたが、成功を願っていました。折しも袴田巌さんの「清水こがね味噌事件」も再審が始まり、盛りあがったことと思います。「次は狭山や!」この言葉も大きな広がりを見せてます。石川一雄さん、84歳。お元気ですが、かなりの高齢。お元気なうちに見えない手錠がはずされ、晴れてご両親のお墓参りに行って貰いたいです。そして夜間中学で学び、アフリカ旅行の夢を叶えて戴きたいです。全ての冤罪事件は犯罪です。許してはなりません。ほんまにそおおもてます。

 「ハルカス寄席」

 日比谷へ思いを馳せながらのハルカス寄席。その下座。笛・喬介、析・呂好、あたり鐘・九ノ一、太鼓と銅鑼(ドラ)・喬明(敬称略)。高座とまた違う真剣なまなざし。格好ええのです。

 「お稽古。」

 生寿さんとお稽古。「うまいなあ」と感心。生寿ファンの皆さま、お楽しみに。ネタは・・・分かりますね。

 「インボイス制度反対署名です。」

 私は今、オンライン署名「《#STOPインボイス》日本に生きるすべての人の暮らしに悪影響を及ぼすインボイス制度に抗議します」を応援しています。こちらのページをみて、ぜひ賛同してください!
 現在、賛同数1,000,000人を目指しています。ぜひ、あなたも関心のありそうな周りの人たちにシェアしてください!
 https://chng.it/xb6kcQmyz5
 よろしくお願いします!
 ちなみに私は、もちろんインボイス登録はしてません。というより、なんのことか分かりません。


 「お西の千里寺さま。」 (2023/11/5)

 浄土真宗本願寺派千里寺さまにて、お笑い人権高座を勤めさせて戴きました。前回お伺いしたのが2000年。23年ぶり。ご聴聞慣れしておられる聞き上手の門徒さまに助けられ、乗せられて、ほぼ漫談で楽しく勤めさせて戴きました。わろて戴くのが何より。こちらでは、近所にお住まいの桂米団治師が毎年寄席をされてるとのこと。参道にある九条の会の看板。私には輝いて見えました。

 「阪神優勝。」 (2023/11/6)

 「優勝おめでとう」と言う資格もない、野球に興味も関心もない自分ですが、最終戦だけはテレビを見ました。(どういう訳か、団体競技には関心がありません。考えてみると興味があんのは、相撲、柔道、レスリング、ボクシングと個人競技だけです。なんでか分かりません。)
 今年初野球観戦が最後の一戦でした。やはり38年ぶりと聞くと、阪神優勝はうれしいです。38年前、吉田監督の講演会と真弓選手のサイン会の司会をしました。大阪の落語家やから、阪神ファンやろと思われたのかも知れませんが、何にも知らんのでインタビューに困りました。なのにお二人とも、なぜか私のことを「師匠」と呼んでくれました。それから何となく阪神が好きになりました。単純です。他にプロ野球選手との接触はないままです。それといつも期待を裏切るとこもおもしろいなあと思てました。「やっぱり阪神やからなあ」というところが好きでした。7戦までもつれた時、最後の最後で「やっぱり阪神」が出るかなと思てました。阪神だけに「半信」半疑。あんなにあっさり勝つとは意外でした。
 野田の阪神本社で、社員対象の人権講演もさせて戴きました。担当は元甲子園のウグイ嬢。ずっと近鉄沿線の住民ですが近鉄電車は「運賃が高い❗」のと、スト破りをするので嫌いです。野球はほんまに恥ずかしいぐらいわからんのですが、不思議と阪神だけは僅かの縁があります。横田慎太郎の「奇跡のバックホーム」もたまたま読んでたので、胴上げで揺れるユニフォームにジーンときました。
 38年前、初日本一のあの頃、香川高松の「タウン情報かがわ」の編集長で熱心な虎ファンの田尾和俊編集長が「ミスタータイガースは、掛布やのおて岡田です」とよおゆうてました。関心のない私はどっちでもええと思てましたが、今ようやく「岡田こそミスタータイガース」やと分かりました。そおいえばこの頃、ミスタータイガースと言う言葉を聞きませんね。なんででしょうか。因みに、田尾和俊さんは「讃岐うどんを全国区にした人」です。笑いのセンスやしゃべりのうまさ、目の付け所もとても敵わない天才的な人です。全国区になれる人やと思てました。今は地元で大学の先生になってはるそうです。
 いろいろ思い出します。私も若くて、今もよりもまだもっともっとアホでした。恥ずかしいことばっかりしてました。あんなんでよお生きこれたなあと思います。38年、過ぎてしまえば「ついこないだ」 みたいに思います。人生短いです。
 追伸 アホのくせに、自分がアホやと分からんアホでした。残念なことに、今もそんなに変わりません。

 「ハルカス寄席。」 (2023/11/14)

 トップの出番。「前座噺は旅ネタ」が基本なので、「兵庫船」を。ええお客様で、前座からちゃんと聞いて戴きました。ハメモノも舟歌も入る上方独特の噺です。ありがたく勤めさせて戴きました。

 「第十回常蓮寺寄席。」 (2023/11/19)

 第十回常蓮寺寄席。今回は、住職が代替わりされたので「住職継職奉告記念寄席」として開催。「当初10回やる」と決めていたので、ええ区切りになりました。番組は、「前説(お笑い人権話)・新治、「狸の賽子(さいころ)」・恩狸改め三代目桂福枝、「替わり目」・新幸、「餅屋問答」・桂文昇、(お仲入り)、「曲ゴマ」・龍水改め二代目伏見紫水、「ふろしき」・新治、「慶祝大喜利」・全員。満堂のお客様で大盛り上がり。釈智依新御住職の門出を祝うおめでたい寄席になりました。岩本孝樹前御住職、長い間お疲れさまでした。ありがとうございます。
(写真は、紫水師匠提供)

 「桂蝶の治『のびのび寄席』。」 (2023/11/22)

​​​​​ 岐阜で桂蝶の治さんがやってる「のびのび寄席」に出して戴きました。蝶の治さんほ、東京の桂伸治師匠のお弟子さんで、落語芸術協会の二つ目。非常に意欲的な方です。お客様も応援団のような方々で笑いじょうず。盛りあげて戴きました。二回公演で、蝶の治さん六席、新治が四席。計十席。通しで聞いて戴いたお客様。お疲れさまでした。ほんまにありがとうございます。

 「四年ぶりの『東雲寺寄席』。」 (2023/11/23)

​ 11月23日、勤労感謝の日。東京町田市成瀬の東雲寺様にて、四年ぶりの東雲寺寄席! お天気にも恵まれ満堂。 お檀家様らご近所の人たちに加え、盛岡、京都、西宮と遠方からも落語ファンが来られ完売御礼。さん喬師匠は、「抜け雀、井戸の茶碗」と大熱演。私も「マクラと小ネタ」でよおわろて貰いました。
 2009年に始まったこの寄席。第一回の出演者は、「三遊亭円丸、林家花(紙切り)、笑福亭羽光、新治」。実は公演の数日前に、当初出演予定だった「立川文都師匠」が亡くなりました。文都師匠は、立川談志一門で関西出身。繁昌亭でご一緒して知り合いました。落語カフェで二人会をやり、東雲寺寄席も楽しみにしてました。あの時はショックでした。東雲寺の柚木祖元方丈様がお位牌を用意して下さり、寄席の後、お客様も一緒に拝ませて戴きました。以来、毎回位牌は仏前に飾られてます。今回、位牌も四年ぶりです。ええお供養になったと思います。以来14年。文都さんがいなくなってから入門した人が、ぼちぼち真打ち。時の流れの速さを改めて感じています。合掌。

 「名古屋 あきつ舎主催『柳家さん喬・露の新治 其之二』。」 (2023/11/25)

 芸はもちろんのこと、お人柄、楽屋での居住まい、周囲への気配りなどなど感心させられるjことばかり。当代一の噺家、柳家さん喬師匠との二人会。ありがたい限りです。番組は、「金明竹」・新幸、「ちりとてちん」・さん喬、「まめだ」・新治、(お中入り)、「七段目」・新治、「芝浜」・さん喬。 三味線・佐々木千華、鳴物・蝶の治、お茶子・大須の姫。聞き上手のお客様と高座がぴたりと合って幸せな空間が生まれ、よお盛り上がりました。私には、ありがたすぎる高座でした。

 「三重県名張市比奈知文化センター文化祭『お笑い人権演芸会』。」(2023/11/26)

 会場は比奈知小学校体育館。番組は、「太鼓演奏」、「お笑い人権話」・新治、「七色三味線」・虹友美、浪曲「池禅尼(いけのぜんに)物語」・天光軒新月/曲師 虹友美、「太神楽曲芸」・豊来家玉之助。新月師匠の「池禅尼物語」は、ご当地比奈知に縁のある、平清盛の義母、池禅尼の話を、山下孝夫先生が書き下ろし、今回が初御目見え。そこまでして戴き感謝感激。もちろん地元の人も大喜び。新月師匠、山下先生、ありがとうございました。

(天光軒新月師匠のエックス(ツイッター)より)

2023年12月

 「第69回全国夜間中学校研究大会(全夜中)・奈良大会。」 (2023/12/2)

 全夜中(ぜんやちゅう)の大会が奈良であり、奈良夜間中学の歴史を振り返るコーナーの最初の「私設夜間中学から公立化」への部(30分)を受け持ちました。レジェンド、髙野雅夫さんから、奈良で最初に運動を起こした岩井好子先生、遠藤幸子先生、正強学園高校(現、奈良大学付属高校)とその職員労働組合(正強労組)の協力。当時の、社会党、総評、部落解放同盟、三者の理解と支援。個人名をできるだけ挙げながら話しました。不思議と当時の先生方の名前はスッと出てきます。昨日の朝、何を食べたか覚えてへんのに。トップの出番として、何とかその役を勤めさせて戴きました。春日夜間中学開校から45年。生き残ってるという気持ちです。

 荒川九中夜間学級卒業生・髙野雅夫さん。私の話の終わりでご紹介し、マイクを握って貰いました。84才と石川一雄さんと同年。力強い言葉を戴きました。最後の「天王寺夜中と文の里夜中の統廃合反対」にはしびれました。



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