2020年4月〜2020年6月
「4月。」(2020/4/2) 今日(4月2日)また一件仕事が流れました。もともと4月は仕事が少ないのですが、これで今月は、完全失業状態になりました。 3月6日の奈良古々粋亭の「ここいき亭なら露新落語会」から、高座に上がっていません。こんなことは初めての経験です。さらに、この状況がいつまで続くのか、先が見えません。つくづく弱い稼業です。コロナでこの状態ですから、戦争などとても無理です。世の中が平和なればこそ、やらせて戴ける仕事なのだとよく分かりました。 咄家としては日々劣化しています。じっとしていて現状維持はありません。この自宅待機の期間をどう過ごすかで、この後の咄家人生が違ってきます。年を考えるとふと「このままなんとなく終わっていくのかな」と思ったりします。逆に「いやいや、このままでは終わるわけには」という気持ちもあります。 私は、この期間を「我が身を振り返り、生き直す時間」にさせて戴きたいと思います。終活です。簡単には収まらないと思いますが、この騒ぎがいつか収束して世の中が動き出した時、自分がこの事態を乗り越えているのか? 無事でいるのか? いたとして何ができるのか? できなくなっているのか? 不安はいっぱいですが、なるべく前向きに生きてゆきたいと願っています。 先日満員電車に乗りました。濃厚接触どころではありません。背中のリュックが邪魔で下に降ろしたほどです。仕事のために、リスクを覚悟で満員電車に乗らなければならない人がいっぱいおられる中で、「自宅待機」と言っている我が身の甘さを感じました。どなたも好き好んでラッシュの電車に乗っておられません。 失業は辛いですが、自宅待機をさせて戴けるありがたさという面もあります。今日は、桂治門さんがお稽古に来てくれます。ほんまに助かります。咄家として機能できます。八方塞がりの状態ですが、気持ちで負けることなく、笑顔で生きていきます。そしてやれることを精一杯やらせて戴きます。皆さまも、ほんまにお気をつけ下さい。ご無事でいて下さいませ。そしてこの危機を乗り越えて下さいませ。お祈り致します。 「長徳寺寄席中止のお知らせ。」(2020/4/7) 静岡県浜松市長徳寺様にて、20年続けてきた「長徳寺寄席」。2009年からは、柳家さん喬師匠との二人会の形で開催させて戴いてましたが、今年5月10日(日)に予定していました、第21回公演を中止させて戴きます。何とぞよろしくお願いいたします。 「5月15日(金)露新軽口噺も延期させて戴きます。 」(2020/4/27) 本日連絡が入り、動楽亭が5月いっぱいまで閉まるとのことです。なので5月15日(金)の露新軽口噺も延期させて戴きます。一応、6月19日(金)に、第23回を予定させて戴きます。先が見えない中、私はすかたんなことに「普通の風邪」をひいてしまいました。熱が出た時は、ドキッとしましたが、今は微熱で修まっています。仕事もしてないのに情けない話です。皆さまもご自愛なさってください。そして全てが収まりますまで、お元気でいてくださいませ。生き延びてください。私もなんとか生きてゆきます。
「蒲郡落語会も中止になりました。 」(2020/5/1)
6月21日(日)の蒲郡落語会も中止になりました。お報せ致します。何とぞよろしくお願いいたします。 風邪はなんとか治まってきました。3月6日の「ここいき亭なら露新落語会」から、ずっと自宅待機で、高座に上がらず、着物も着ていません。落語のネット配信を見て「えらいなぁ」と感心してます。特に、昨日まで十日間生配信を続けた春風亭一之輔さんには脱帽です。こういう方が次の時代をひっぱってくださるのだと思います。この間、いろいろな方から、物心両面の励ましを戴きました。年はいってますし、同級生はほぼリタイアしてますので、ふと「このまま終わるのかな」と思ったりしますが、そういうわけにはいきませんので、再開した時、高座を勤められるよう精進させて戴きます。この自宅待機の時間を大事にさせて戴きます。内閣は、火事場泥棒みたいなことをやってますが、コロナにも悪政にも負けず、生き延びたいと思います。皆さま、お気をつけくださいませ。 「天満天神繁昌亭休館・延長。」(2020/5/6) 天満天神繁昌亭休館・延長が決まりました。休館・公演中止期間は、5月31日(日)までです。6月以降も仕事はあまり入っておりませんので、自宅待機はまだまだ続きそうです。早寝、早起き、ノンアルコール。すっかり老人の生活になっています。再開を期して精進をしなければと思っています。皆さま、ご自愛くださいませ。 「第五回『うずみ火寄席』のご案内。」(2020/5/7) どなたも等しく大変な時なのに、多くの方々から励まして戴き、ほんまにありがたいです。願生ります。以下、ご案内です。 〇 第五回うずみ火寄席 日時:2020年7月23日(木・祝)開場13:00、開演13:0 会場:動楽亭(昼席) 出演:笑福亭智丸、露の新治、愉かい亭びわこ(水野晶子)、露の新幸 木戸銭:前売り、予約2000円。当日2500円。ご予約は、当ホームページまで。 何とぞ宜しくお願い致します。皆さま、ご自愛くださいませ。 いわゆる「黒川さんを検事総長にするため」の法改正案は、いくら何でもむちゃくちゃです。安倍首相の保身のために三権分立を犯す、憲法違反の閣議決定。それを追認するために、コロナ騒ぎのどさくさに法律を変えようという動き。これを許したら、三権分立も民主主義も立憲政治も骨抜きにされ、法治国家ですらなくなります。どだい、緊急事態宣言のための改正特別措置法が、3月10日に閣議決定、12日・13日の二日間で両院通過という、まったく議論がなされないままの立法です。確かに緊急事態で対応も大事ですが、「私権の制限」という基本的人権に関わるものですから、このなだれ込み方には危ないものを感じます。そこへ今回のたった一人のための法改正騒ぎ。反対世論の盛り上がりは当然です。民主主義は死んでません。そしてまだ憲法があります。それをないがしろにさせない民意があります。「国の主権は国民にある」のですね。改めて感じています。自分のことで精一杯のええかげんな私ですが、そう思います。 「6月の露新軽口噺。」(2020/5/31) 不要、不急ですが。 6月の露新軽口噺は、開催の予定で準備をさせて戴きます。不安もためらいもあり、事態はまだまだどう動くかわかりませんが、動楽亭が閉まらない限りやらせて戴きます。ただ、リスクもありますので、お客様はくれぐれもご無理をなさいませんようにお願い致します。検温、マスクご持参、定員30名などなど、いろいろ制約がありますが、とりあえず、開催を目指します。なにとぞ、ご無理のない範囲でご検討くださいませ。皆様、なにとぞご自愛ください。 露の新治、露の新幸 拝。 〇 第23回露新軽口噺 日 時:6月19日(金)開演 18:30 会 場:大阪市西成区 動楽亭(夜席) 定 員:30名 木戸銭:前売り・予約2,000円、当日2,300円
「袷からいきなり絽!105日ぶりの高座でした。」(2020/6/20) ありがとうごさいます。お支え戴きました方々に、先ずはお礼を申し上げます。3月6日の奈良・古々粋亭から、105日ぶりに高座に上がらせて戴きました。 (3ヶ月延びた)第23回露新軽口噺。番組は、「兵庫船」・新幸、「お太刀の鍔」・新治、「写真タイム」・(飛び入り)文鹿、「ねずみ」・新治、(お中入り)、「胴乱の幸助」・新治。 「お太刀の鍔」(東京は「雛鍔」)・「 ねずみ」は、共に五郎兵衛の型でネタおろしでした。「ねずみ」は、場所を仙台ではなく、関西の某所にし、全て大阪弁にしました。稽古不足でなめらかにしゃべることができませんでした。「胴乱の幸助」も、久しぶりの噺で、こちらもネタを飛ばしたり、反省点ばかりです。あたたかいお客様にお支え戴き、なんとか勤めさせて戴きました。まだまだコロナも安心できる状態でなく、私から「今回は無理をしないでください」とお願いした方もおられる中、手探り状態の開催でした。私自身久しぶりの外出で、電車に乗るのも緊張しました。けど動楽亭の楽屋に入り、訪ねて下さった桂文鹿師匠や三味線の薫子師匠、新幸や世話人さんらと話をしたり、ばたばたと用意をするうちに、だんだん気持ちが甦ってきました。高座に上がり、お客席を目にした時は、なんともいえないありがたい気分に包まれ、緊張感はありませんでした。余裕などありませんが「うけなければ、引き付けなければ」という気持ちもありませんでした。「笑わせねば」「受けさせねば」というのは、自分への過信かも知れません。お客様と向き合えた喜びに、スーっとお客席に、自分を投げ出すような気持ちになりました。ほんまになんの身構えもありませんでした。これは嬉しいことでした。 今回、高座が根こそぎ無くなってショックでしたが、おかげで気づかせて戴いたことがあります。高座に上がらせて戴くことは、当たり前のことではなく「有り難い」ことなんや。自分の力ではなく、いろんな人たちの落語と落語家への思いのおかげなんだと実感しました。これは全ての咄家が感じたと思います。コロナは災いでしかありませんが、そこから学んだことは大きいと思います。私もこの気持ちを忘れず、精進させて戴きます。今はありがたいという気持ちでいっぱいです。咄家人生も晩年になってのこんな経験は、大事なことに気づかせて戴く最後のチャンスかと思います。今は自分を振り返り、気持ちを引き締め、修行をさせて戴く時だと思います。今月の高座はこれだけで、また自宅待機が続きます。時間だけは十分にあります。リスクを乗り越え寄席に足を運んで戴くお客様に感謝し、修行をさせてもらいます。来て戴いた方々、来れなかったけど心を寄せて戴いた方々。皆さまにお礼を申し上げます。ありがとうございました。 「繁昌亭が一面トップに!」(2020/6/29) 明後日、7月1日より再開の繁昌亭が、毎日新聞夕刊の一面トップに! 「オチ着いたら繁昌亭へ」早く日常が戻ることを願う気持ちのシンボルになったようです。 |