新ちゃんの へらへら日記  


2012年1月〜2012年3月

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2012年1月

  「謹賀新年」(2012/1/1)

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。皆様の暖かいお支えでなんとかやらせて戴いています。ほんまにありがとうございます。
 喪中ハガキがどっさり届く年の暮れ。地震に津波に、原発事故に、大阪の選挙、ため息ばかりです。談志師匠が亡くなり、若い頃、落語への夢をかきたてて戴いた方がもうほとんどいなくなりました。思えば私にとってもいろいろあった一年でした。3月に喉のポリープを切りほぼ2ヶ月休業。いろんなことが見えました。不安もあったのに、のどもと過ぎればで、はるか昔のことのように思います。いいこともありました。なんと言っても、さん喬師匠のお供で北海道五ヶ所、深川雲光院の寄席に二度。カタログハウスの寄席、浦和市民寄席、浜松長徳寺寄席、町田の東雲寺寄席、大東の新治寄席でご一緒させて戴いたことは一生の財産です。浄土真宗本願寺派(お西)の研修会で12箇所、更には曹洞宗の研修会で羽幌へ行き、北海道へ8回も行ったのは、これからも無い経験です。繁昌亭には二回(2週間)出して戴き、落語と本気で向き合っている(闘っている)人たちを見て、ハッとしました。遅ればせながらやはり落語を芯にすえて生きて行きたいと思いました。トリイ寄席と、岐阜中津川の西生寺様で「柳田格之進」を、繁昌亭で「中村仲蔵」をやらせて戴いたのが、らくごの高座としては一番印象深いものです。中国語落語も、奈良と上海でさせて戴き、本当にありがたいことばかりです。60歳、定年後再任用の年としては充分すぎるお引き立てです。年が明けると61歳。信じられない数字ですが、身に引き受けて生きて行きます。ぼちぼち、そろそろ、休み休み、願生ります。皆様、くれぐれもおすこやかでいてくださいませ。そしてなるべく笑顔でいてくださいませ。やっぱり元気で生きてなあきません。ありがとうございます。


  「露の五郎兵衛追善公演のご案内」(2012/1/6)

 今年で3回目となる、露の五郎兵衛追善公演が決まりました。3月30日(金)18:30〜、天満天神繁昌亭(夜席)にて開催します。今回は、新治が「中村仲蔵」で主任(トリ)を勤めます。番組は、18:15〜開口一番、「宿屋町」・千橘、「替り目」・吉次、「悋気の独楽」・都、「逐虎伝(五郎兵衛作)」・慎悟、(お中入り)、軽口にわか、宝蔵」・団四郎、団六、「中村仲蔵」・新治。木戸銭は、前売り2,500円、当日3,000円です。ホームページにて、先行予約を受け付けます!よろしくお願いします。


  「疑問その1」(2012/1/17)

 朝顔と昼顔と夕顔を、白夜(びゃくや)のスウェーデンに持っていったら、やっぱり順に咲くやろか?考えたら夜も寝られません。こっちが白夜!


  「師匠が殿堂入り!」(2012/1/18)
 ワッハ上方による「上方演芸の殿堂入り」に、師匠、五郎兵衛が、若井はんじ・けんじ師匠と共に選ばれました。ほんまに嬉しいことで、改めて師匠の偉大さを感じました。2月2日の表彰式には、私も出席させて戴きます。5月末まで、特別展が開かれます。ぜひ、ワッハ上方(大阪難波)へお越しくださいませ。どうぞよろしくお願い致します。

  「伯備線。」(2012/1/24)

 先日、島根県大田市に行きました。生徒9人の池田中学校。保護者、先生も含め70人ほどが聞いてくれました。生徒さんの笑顔のいいこと! その前日にJR伯備線で大田市に向かいましたが、落石のため遅延。出雲駅から最終の大田市行きに間に合ったのでよかったのですが、乗り換えたのは、なんと!私一人! 同じ日、東京でも事故があり、22万人に影響が出たとのこと。落石より、このほうが大変な問題。


  「旭川、黎明!」(2012/1/25)

 聞きしにまさる岩見沢! かなり除雪が進んで、この状態です。生活は大変!

 屋根から垂れ下がる雪! 家も大変です。カチカチに固まっているので、雪下ろしもままなりません。


 幹線道路は除雪ができていますが、少し入ると通れません。岩見沢は大変です。


  「岩見沢、黎明!」(2012/1/26)


岩見沢黎明〓


今、外はマイナス22度


  「落語の特別番組を知りませんでした。」(2012/1/28)

 知り合いから、朝日放送の「上方落語を聞く会」の特別番組のことを知らされました。数日かけての大きなイベント。出番が無いのは当然ですが、驚いたのは、これだけの大きなイベントを「全く知らなかった」ということ。新聞ともテレビとも無縁の生活を続けていると、ほんまに世間から遅れてゆきます。情報に流されるよりいいかなと思ってましたが、落語家でありながら、落語界のこれだけの大きな催しを知らんとは、ちょっとショックでした。上方落語界の片隅くらいにはいてるつもりでしたが、かやの外にいてるわけです。どうしましょう!


  「春節を祝う、日中友好の膳。」(2012/1/29)

 「伊勢嵩山友好会」は、中国帰国者の支援団体。その春節を祝う会にお招き戴きました。残留孤児家族、中国人の留学生、中国語学習者、支援の人たち。先ずは食事を戴きました! 緊張で喉を通らないこともなく、美味しい! 写真の左から水餃子(中国)、右回りに豚汁(日本)、紅白のお餠は元宵(げんしょう)という中国の料理(お団子が湯に浮いている。後で聞いたら、お湯は飲まず、お団子だけ食べるらしい。それを先にゆうてほしかった。)、ぜんざい(日本)と、まさに日中友好! 私は先ず中国語で、それから日本語で「ごんべえ狸」、休憩を挟んで日本語で「つる」。おかげさまでよく盛り上がりました。中国人留学生は、皇学館大学の学生。よく笑って戴き、彼らの日本語の力に驚きました。

2012年2月

  「御在所岳へ。」(2012/2/1)

 三重県四日市市。仕事の前に御在所岳へ行きました。

 北海道もすごいけど、三重県にもすごいところがあります。上がれば別世界、まるで八甲田山のようです(行ったことないけど)。
  

 普通の格好では5分もおれません。


  「第3回露の五郎兵衛追善の会。」(2012/2/3)

 3月30日の露の五郎兵衛追善公演のポスターができました。番組は、18:15開口一番。18:30開演で、「宿屋町」・千橘、「替わり目」・吉次。「りんきの独楽」・都、「逐虎伝」・慎悟、(お仲入り)、軽口にわか「宝蔵」・団四郎・団六、「中村仲蔵」・新治。よろしくお願いします。


   「こちらもよろしくお願いします。」

 「福楽復帰記念の会」(桂福団治一門会)。3月23日(金)18:30より、会場は天満天神繁昌亭。出演は、福丸、福車、文福(友情出演)、福団治、(お仲入り・座談会)、福楽(トリ)。前売り3,000円。当日、3,500円。新治の出演はありませんが、このホームページでも予約を受け付けます。よろしくお願い致します。


  「露の五郎兵衛、上方演芸の殿堂入り。」(2012/2/4)

 師匠、五郎兵衛が、若井はんじ、けんじ両師と共に、上方演芸の殿堂入り表彰を受けました。ありがたいことです。ワッハ上方では記念の展示が行われています。ぜひ、大阪難波、ワッハ上方へお運びくださいませ。

  「露の五郎兵衛追善公演のチケット受付について。」(2012/2/6)

 2月6日の本欄で、チケット受付を終了するとお知らせいたしましたが、わずかながら一門で引き受けた分が残っていることがわかりました。ホームページでのチケット受付を、しばらく延長させていただきます。残りのチケットは僅少ですので、観覧ご希望の方はお急ぎください。 (MORI)


  「ハンバーグ!?」(2012/2/11)

 早朝に家を出て、三重県玉城町へ。西大寺駅ナカにいろんなお店があり、車中食べようとハンバーガーを買い、いざ食べようとしてパンが無いのに気づきました。一瞬の混乱の後、ハンバーグと間違えたと気づきました。どうりでお姉さんが「箸はいりませんの?」と聞いたはずです。その時「なんで箸がいるんや」と思った自分が恥ずかしい。お姉さんは「このおっさん、どないして食べるんやろ?」と思ったに違いありません。こんな早くから惣菜を持ち帰る人も少ないやろし。こんなん、箸無しで食べられへんがな(食べるけど)。還暦過ぎてもアホは治らん!


   「箸で思いだしましたが。」

 以前、博多から新幹線に乗り二人がけの席でボーッとしてました。前におっちゃんが一人。早速お弁当をひろげ「さあ食べよう」と箸を割りました。悲劇はどこで待ってるかわかりません。箸がきれいに割れず、片方が半分位になってしまったのです。元々お弁当の短いちゃちな箸。それがちびた鉛筆みたいになってしまいました。おっちゃんの顔が険しくなるのが斜め後ろからでもわかります。仕方なくその一本半で食べ始めたのですが、最初くせで、コンパスみたいに持ちました。すると食べられません(私も初めて知りました)。おっちゃんの顔が更に険しくなります。今度は「人」の字に持ちはったのですが、これも食べにくいらしい。おっちゃん、更に険しい表情。この時点で私は、同情するより楽しみだしました。やがておっちゃんは、箸を「入」の字に持ちました。今度はいけるようです。厳しい表情が少しゆるみました。私は、割りばしは丁寧に割ろうと思いました。


   「お弁当で思いだしましたが。」

 これも博多から新幹線の二人がけで、前におっちゃん。おっちゃんは窓際、私は通路側(が好き)。座席後ろのテーブル。普通はテーブルを出してから、お弁当を置き、それから開けます。おっちゃんは、お弁当を開けて片手に持って、割りばしを口にくわえてテーブルを開けようとしました。悲劇はどこにあるかわかりません。揺れたわけでもないのに、左手のお弁当が落ちました!蓋をしてたらまだよかったのですが、中身は見事半回転して床に直撃(背伸びしても確認できなかったが、おっちゃんの背中に全てが表現されていました)。これが一回転なら、悲劇は奇跡の逆転劇になったところですが、そうならなかった。おっちゃん、箸をくわえてしばし呆然!やがてそろそろと落ちた中身を拾い上げるおっちゃん。人生一瞬先は闇。やがておっちゃんは、憮然とした顔で缶ビールを飲みはじめました。美味しそうではありませんでした。ほんまは、缶ビールは無傷なんやから、気持ちを切り替えて美味しく飲めばいいのに、そうはならなりません。人は不幸を引きずり、簡単に切り替えることはできないんだと分かりました。ここで、「お弁当はすんだこと。缶ビールは缶ビール」と気持ちを切り替えて美味しく飲めたら、人生はかなり楽しいものになるのでしょうね。引きずらない修行したいもんです。


  「松阪から紀勢本線、田丸へ。 」(2012/2/12)

 松阪からJR紀勢本線。多気を過ぎて、参宮線、田丸へ。多気で乗り換えれば相可。高校生レストランでドラマになった相可高校。一度伺ったことを思いだします。

 田丸駅の駅舎は木造。貴重な建物です。


  「大台町人権フェステバル。 」(2012/2/13)

 三重県大台町の人権フェスティバル。12年前の第一回に、北川亮右さんと出して戴いて、今回が2回目です。小中生の踊りと私の話。ダンスの中学生もたくさん残って聞いて戴きました。音響や舞台づくりもしっかりやって戴き、楽しく勤めることができました。松阪商業Y教諭差別事件糾弾の闘いで中心的役割を担われた、森山先生、板谷先生が見に来てくださり、久しぶりの再会をしました。帰りは森山先生に伊勢中川まで送って戴きました。反差別を本気で闘う人たちとは、久しぶりに会っても、昨日も会っていたようにすぐ打ち解けることができます。この方たちとのご縁は、私のありがたい財産であると思います。


  「一門情報・立花家千橘(たちばなやせんきつ)師匠。 」(2012/2/16)

 五郎兵衛一門の筆頭、立花家千橘(たちばなやせんきつ)師匠。催し物を2つ紹介します。

○ 3/7(水) 14:00〜 「ひとり落語会」
 会場:大阪市立長居ユースホステル(長居スタジアムバックスタンド内)
 おあし:500円

○ 3/16(金)14:00〜 「立花家千橘ひとり舞台」
 会場:上方亭(ワッハ上方4階展示室内)
 木戸銭:「展示室」入場料のみ(おとな400円、高、大学生250円、小中学生120円)

 ワッハ上方は、大阪難波、グランド花月向かい。展示室には、師匠露の五郎兵衛、若井はんじ・けんじ両師の、上方演芸殿堂入り記念展示中。ぜひ併せてご覧ください!


  「第五回ならまち演芸。 」(2012/2/17)

 2回公演の第五回「ならまち演芸」。昼席の番組は、「初天神」・雅、「漫才」・幸助・福助、「ちりとてちん」・新治、(お中入り)、「太神楽」・豊来家板里、「漫才」・暁照夫・光夫。夜席は、「平林」・雅、「太神楽」・板里、「漫才」・照夫・光夫 (お中入り)、「漫才」・幸助・福助。「鹿政談」・新治。昼夜とも満席。いいお客様で大盛り上がり!ありがたい、もったいない!


  「雪で新幹線が遅れ。」(2012/2/18)

 今日は久しぶりの東京です。三宅坂のホテルで講演。雪で新幹線が遅れています。この時期毎年泣かされていました。一昨年くらいまでは、2月〜3月は、年度末の講演会が多く、毎日のように新幹線に乗っていました。おかげで雪に泣かされることも多かったのですが、最近は仕事も減り、おかげで泣かされることも減りました(あかんがな)。窓の外は見渡す限り白一色。生活は大変。けど降らなくても困る。春よ来い!

やっぱり富士山!最高!


  「充実の東京。」(2012/2/20)

 東京都市センターホテルでの講演会。対象(お客様)は三井住友銀行のOB、500人。皆さん肩の力を抜いて聞いて戴き、助かりました。おかげで笑いも多く、快調に話せました。生野高校の同期が二人来てくれ、後でいろいろ突っ込まれました。
 日曜日は、黒門亭で久しぶりの落語の高座。トリの伯楽師匠は、五郎兵衛と親しく、私も東京のお供でお会いしていたので思い出話に花が咲きました。師匠を偲んで、十八番の「鹿政談」を伯楽師匠にご了解を戴き、やらせて戴きました。自分なりにですが、しっかりやれました。幸い褒めてくださる人もいたのですが、問題はこれが、今年になってまだ5回目の落語の高座で、しかも、ちゃんとした寄席は、ならまち演芸以来2回目という情けない事実です。因みにさん喬師匠は、昨日、宮城県へとんぼ返りで行き、帰って、鈴本、浅草演芸ホール(トリ)と勤めてはります。ほんまに、どないかせなあきません。


  「これが奈良! 鹿政談の世界。」(2012/2/21)

 今日は、奈良少年刑務所で面接ボランティア。奈良駅前に来ましたら、鹿がこのとおり、分離帯に!登り大路の県庁前(文化会館前)でっせ。クラクション鳴らしても逃げません。

 この状態です!

 同じ位置から右を見れば、文化会館前の石碑。


  「茨木市議会議員・ぶれずに願生る、山下けいきさん 。」(2012/2/25)

 朝、茨木市玉島小学校、体育館。120の椅子に30人弱の参加者。いろんな条件が働くのでしょうが、知名度の無いのが致命的! ただ今日は、茨木市議会議員、山下けいきさんの紹介の仕事であり、忙しいのに山下さんも駆けつけてくれているのですから、そこから願生りました。知名度が無いのは自分の責任です。寒い中、体育館まで来てくれた方は宝もののようなお客様です。精一杯の高座、それがきちんと伝わりました。広い体育館に30人とは思えない盛り上がり。やはり気持ちが通じあえば十分やれます。私としては満足の1時間。山下さんも最後まで付き合ってくれました。山下けいきさんは、自分の人生、自分が主役。「自芯」をきちんと持って生きておられます。護憲、平和、反原発、基本的人権の確立を目指し、ぶれずに願生ってこられました! こんな政治家がいることが救いです。維新の会の横行、それにこびる保守政党の堕落を黙って見ていられないと、この度「茨木市長選挙」にチャレンジされます。橋下人気で勢いに乗る維新の会に抗し、人権平和、弱者が堂々と生きられる茨木市政を作って戴きたいものです。茨木市に爽やかな風を思いきり吹かせてください!


   「第20回りばてぃ寄席。」

 大阪府高槻市の春日ふれあい文化センター(春日りばてぃ)において、第20回りばてぃ寄席。番組は、「お笑い人権話」・新治、(お中入り)、「バス旅行」・桂勢朝、「太神楽」・豊来家板里、「中村仲蔵」・新治、「お笑い玉すだれ」・勢朝。参加者は、小学生も含め、普段は落語と無縁の方がほとんどです。「『中村仲蔵』はどうかな?『つる』の方がいいかな」と最後まで迷いましたが、思い切って『中村仲蔵』をかけました。結果は「やってよかった!」 時間も無いので、歌舞伎の説明も、忠臣蔵も、五段目もほとんど説明無し。なのに目頭を押さえるほど、聞き入って戴きました。


  「奈良県夜間中学研究集会 。」(2012/2/26)

 奈良市古市隣保館にて、「奈良夜間中学研究集会」。私のふるさとのようなものです。願生ります。

 夜中協展示には、「文字は宝や!」「生きる力!」という、日本語、中国、朝鮮(韓国)語の垂れ幕もあります。「昔はでん気の玉一つを二けんでわけてました。」 壁の上に電球をぶら下げて、二軒で使っていました。つましい暮しでした。


   「泣いてしまいました。」

 奈良県夜間中学研究集会。楽しくお話をしていたんですが、うどん学校(私設奈良夜間中学)の話で、うどんを食べながら生徒さんから話を聞いたくだりになって絶句、涙が出てしまいました。永年しゃべっていて初めてのことです。とまどいました。参加者であの頃を共有するのは、勝良(筒井)先生だけ。西坂、岩井、遠藤、白須、中野、老田、松石先生らは皆故人。ほんまに寂しいかぎりです。夜間中学は、今、橋下ハシズムなど逆風に曝されていますが、熱い思いを持った先生方や、なにより「夜間中学を必要とする生徒はさん」がいます。今こそ願生りどきです! 微力ながら、夜間中学サポーターとして願生ります!


   「夜は伊賀市山畑区。」

 JR新堂駅から車で2年ぶりに山畑区の会館へ。40人弱ですが、和室大広間でいい雰囲気。よくお笑い戴き、手応え十分。二回目なので人権咄を70分ほどで切り上げ、休憩。その後急拵えの高座で一席することに。「つる」と思いましたが、休憩時にお客様に聞くと、「しんみりした咄もいいなぁ」とのこと。思い切って「中村仲蔵」をやりました。忠臣蔵も五段目も説明しなかったのに、びっくりするくらい集中して聞きいて戴きました。中にはウルッと来ている方も。思い切ってやらせて戴きよかった、よかった!


   「白浜止め!」 (2012/2/27)

 今日はボランティアで、和歌山の水害被災地(熊野川町)へ。新宮までJR特急「オーシャンアロー」で順調に向かっていたら、太平洋が見えた頃アナウンスが。「トンネルに不備があり、白浜止めにします。後は普通で新宮まで」エエッ〜! そんなん、しらはま! 松阪回りにしといたらよかった! 隣のおっちゃんは、缶ビール2本飲んで、紀伊田辺で悠然と降りてゆきました。わたしゃどうなる?

太平洋。


   「熊野川町能城(のき)集会所。」

 トンネル事故で特急オーシャンアローは白浜で止められ、串本まで普通。そこからバスで無事に新宮に着きました。新垣さん(元大東市市役所・人権啓発課)が迎えに来てくれ、車で熊野川町へ。集会所で、復興支援お楽しみ落語会。「相撲場」、「鹿政談」、「中村仲蔵」で大盛況! 私は幸せな芸人です!

 復興支援落語会のチラシ。新垣順子制作。
「笑いやる場合とちがうんやけど…今夜はつれもて笑いましょ」

 和歌山県熊野川町の水害被災の様子。浸水時と引いた後。
全てが水没。生活は破壊されました。


   「三重県御浜町阿田和中学。」 (2012/2/28)

 和歌山から三重県へ。と言っても、熊野川を渡っただけです。御浜町、阿田和(あたわ)中学の生徒さん、阿田和小学校5、6年生に、人権話と落語を90分。それから、夜席の高座作りをして、7時から復興支援落語会。題して「元気の出る落語会」。昨日も今日も、皆さん気合いが入っています。ありがたい! 願生!

今夜の落語会のポスター。


   「この眺望!」(2012.2.29)

 昨日は、「ちりとてちん」、「狼講釈」、「中村仲蔵」。いいお客様に助けられ、やらせて戴きました。終わって熊野市の「ホテルなみ」に泊。夜に来たので分かりませんでしたが、窓の外は絶景です! 潮騒が聞こえます。


   「新宮市、大逆事件の碑。」

 大逆事件。医師で、貧しい人たちの治療に尽力した大石誠之助、浄土真宗大谷派(お東)の僧侶の高木顕明(けんみょう)の名も。国家による犯罪の犠牲者。大逆事件「志を継ぐ」の碑。

 被差別地区に生まれた芥川賞作家・中上健次の生家跡。同和対策で建てられた住宅の一角。


 3月16日(金)18:30から、「熊野復興寄席」があるそうです。会場は新宮市民会館。出演は文枝一門の三枝、文太、文福、文喬、坊枝、文昇。木戸銭1000円。前人気上々で明日から前売り開始だそうです。

 雲たなびいて、春はもうすぐ!


 熊野川の碑に来ました。再建されてます。あと「熊」の字、一文字で完成。一昨日通った時はなんにもありませんでした。おめでとうございます!


 奈良県十津川町。土砂崩れの恐ろしさ。深層崩壊とのこと。目の当たりにして、初めて怖くなりました。下に人家があればと思うと・・・。

    


2012年3月

   「今日は大移動!」(2012.3.2)


 繁昌亭の上方落語協会会議室から電話で、西日本放送のラジオ番組に出演、10日、11日の香川の新治寄席(大内、綾川)の告知をしました。RNCアナウンサー、植松おさみさんと熊谷ふゆみさんのお世話です。植松さんはズームイン朝で全国に売れた人。熊谷さんはラジオで何年もパートナーを組んだ仲。今、二人が番組をやっています。去年は植松さんに出て戴きました。きっちりしたネタでオチもある一席。かなり準備をして臨んで戴きました。だからアドリブも活きます。お手本のような話芸。勉強になりました。ラジオの電話出演が終わって、楽屋に戻り、福楽さんと合流。板里さんの出番も終わり、慎悟兄、塩鯛さんのトリの高座を聞いてから出発、一路、島根県飯南町へ。長かった! 途中食事や休憩をして、着いたのは11時前! 部屋に入ると、缶ビールとおつまみが。教育委員会の先生のお心配りです。「遠方よりの来町でお疲れのことでしょう。ささやかながら、冷蔵庫に用意してます。喉を潤して床について戴ければ幸いです」と言葉が添えられていました。こんな、心のこもったおもてなしをしていただける。ほんまにありがたい! ほんまに幸せ! 願生ります!


   「寒い! 気合だ!」(2012.3.3)

 今日は、福楽、板里さんと三人で、「第4回飯南町 お笑い人権高座」。会場は、島根県飯南町の「谷笑楽(小学)校」。旧小学校が、地域のコミュニティセンターになっています。番組は、「お笑い人権高座」・新治、(お中入)、「ふぐ鍋」・福楽、「太神楽」・豊来家板里、「中村仲蔵」・新治。お仲入りには、お茶のお接待も。いいお客様で延びる、延びる。ありがたい!


島根県飯南町の雪景色。宿舎「衣掛」から。


谷笑楽(小学)校。


会場。


高座

受付風景 お茶のお接待

   「第16回 あったか寄席」(2012.3.4)

 島根県加茂町教育集会所にて「あったか寄席」。16回ということは、滿15年。本当によく続きました! 遠くは滋賀県草津市や鳥取市から、県内も大田市、浜田市から部落解放を願う仲間が駆けつけてくれ、大盛況! 外川正明先生は、プロジェクターを使って感動の1時間。「竹田の子守唄」の、竹田小学校に新任で着任し、そこで鍛えられた話を中心に、熱く同和教育を語って戴きました。お仲入りのあとは、「代書」・福楽、「太神楽曲芸」・板里、「中村仲蔵」・新治。そして寄席の最後は、水平社宣言の朗読。打ち上げでは外川先生から、前日の「水平社創立90周年記念集会」の模様もお聞かせ戴きました。


外川正明先生の熱演


あったか寄席、高座


草津、山本さん撮影


水平社宣言の朗読


   「 『砂の器』ツアー。」(2012.3.5)

 福楽さんは、映画「砂の器」ファン。木次町の夜席まで時間があるので、彼を先達に、「砂の器」ミニツアーに出かけました。まずはロケ地、出雲八代駅へ。加藤嘉の本浦千代吉と息子、秀男(後の和賀英良)の別れのシーンが撮影され、養父、三木謙一巡査(緒方拳)も出演。ギャラリーもたくさんだったようです。

  
出雲八代駅。映画「砂の器」のロケ地。
亀嵩駅の代わりにここが使われた。


亀嵩駅。
これが「かめだ」と聞こえたので捜査が混乱した。


八代駅にて。
板里、新治、福楽。


木次線、出雲八代駅。
1932年(昭和7年)創業。


   「春!。」

 蕗のとうに白魚のてんぷら。春!


   「木次、お笑い人権寄席。」

 島根県3日目の最終日です。島根県雲南市、木次町チェリバホールにて、「お笑い人権高座と寄席」。番組は、「お笑い人権高座」・新治、(お仲入り)、「ふぐ鍋」・福楽、「太神楽」・板里、「中村仲蔵」・新治。予想を上回る100人以上のお客様。「中村仲蔵」もきちんと受け止めて戴きました。ありがたい。


   「 高校の同級生、阿部君の息子さんが制作した番組。」

 個人的な話ですが、高校の同級生、剣道部の仲間、阿部君、阿部ちゃん。コツコツ努力して、結果につなげてゆく、しっかりした、本当にいいやつでした。残念ながら今年2月1日、ガンで亡くなりました。2月2日、師匠の上方芸能殿堂入りの記者会見が終わって楽屋に帰って訃報を受け取りました。信じられませんでした。人一倍タフで、スポーツ万能、おまけに50歳から勉強して、今は鍼灸医師であり、柔道整復師。健康そのものと思っていました。同級生でまさか彼が最初に逝くとは。ショックでした。愛知県一宮の自宅にお線香をあげに行ってきました。その時、彼の次男さんがNHKのディレクターで、談志師匠の追悼番組も担当したと伺いました。そして、今回あらたな番組「クローズアップ現代」が放送されます。今晩です。
◇放送予定 総合テレビ:3月6日(火)午前1:05〜2:18【3月5日(月)の深夜の放送となります。】
◇内容 東日本大震災からまもなく1年。この震災では、国や自治体、研究機関などがかつてない膨大な被災情報を調査し記録した。約2万人もの死者・行方不明者。40万人もの避難者。その被災の状況や、避難場所、1年の動きなど、様々なデータは1人1人の人生そのもの。NHKでは集めたデータを分析しデータマップを作成。津波での被害は地域ごとどう違うのか、被害の差をうんだ背景は何か。40万人の避難者はどう動き、どこでどのように長期避難が続くのか。震災関連“倒産”の実態とは。データマップを通して、震災を新たな視点で見つめ直すと共に、復興への支援のあり方まで探っていく。(73分拡大版)
◇出演者 内橋 克人さん(経済評論家)、西條 剛央さん(早稲田大学専任講師)、山中 茂樹さん(関西学院大学教授)、関谷 直也さん(東洋大学准教授)
 テレビを見ない私が、この二日間、たまたま震災、津波の特番を見ました。夜ホテルへ帰り、時間があるからです。実は阿部君のお葬式の日から、禁酒してます。それで重い内容の番組でも見られるのです。酔っ払っていると、寝てしまいます。見れば改めて被災のひどさが甦ります。そこへこの知らせです。阿部ちゃんが「見たってや!」と言ってるような気がします。個人的なことを敢えてお知らせする次第です。どうぞよろしくお願いします。合掌


 生野高校剣道部。一緒に写真を撮ったのは阿部ちゃんだけ。

  阿部ちゃんと。


   「スイトピーを戴きました!」(2012/3/9)

 先日、元気寄席をさせて戴いた御浜町のYさんから、きれいなお花が届きました! ありがたい、もったいない、また行かしてもらいまっせえ! 願生りましょう!


   「第19回さぬき大内新治寄席」(2012/3/10)

 ついに実現、柳家さん喬師匠と二人会! 去年は震災の翌日。開催が危ぶまれましたが、敢えて開催しました。義援金も6万円以上が集まりました。今回、さん喬師匠のおかげで遠方からもたくさんのお客様。180人の大入りとなりました! 番組は、「つる」・新治、天狗裁き」・さん喬、(お仲入り)、「狼講釈」・新治、「太神楽曲芸」・板里、「妾馬(八五郎出世)」・さん喬。大盛り上がり! ありがたい。ありがたい!


   「黙祷もしました。」(2012/3/11)

 第24回綾川名物・新治寄席。番組は「狼講釈」・新治、「幾代餅」・さん喬、(お仲入り)、14:46黙祷、「鹿政談」・新治、「太神楽曲芸」・板里、「妾馬(八五郎出世)」・さん喬。550人で、立ち見のお客様も。本当にありがとうございます!


先ずはうどんでお腹拵え!スタッフ賄いのうどんが100玉!


   「東京の新治落語ファンの方、お待たせいたしました。」(2012/3/17)

 久しぶりの「鈴本演芸場出演」が決まりました! さん喬師匠が主任(トリ)を勤める6月中席(6/11〜6/20)昼の部に、師匠のお世話で出番を戴きました。夜も、にぎわい座などに出して戴きます。後日精しくお報せ致します。以前は師匠、五郎兵衛のお供で毎年出して戴いてました。以来15年以上のご無沙汰です。あの頃、楽屋で働いていた前座さんも今ではりっぱな真打。こちらは相変わらず。願生!


   「 まだやってはりますか?」(2012/3/18)

 先日かかってきた仕事の電話。数年前にお世話になった方からです。「どうもごぶさたいたしまして・・・あの、またお仕事をお願いしたいのですが・・・あのー 、まだやってはりますか?」一瞬なんのことかわからんかったけど、相手は、私が「落語家を廃業したかどうか」を聞いているとわかりました。トホホー。自分では日々忙しく動いているつもりですが、テレビでも見かけんし、ひょっとしたら「やってはれへんのかも」と思われたようです。自分が世間でいかに認知されていないか思い知らされました。タアーッ!


   「 今日の思いつき。」(2012/3/22)

 今日の思いつき。「帯に短し、たすきに丁度!(たすきやないかい!)。 「五十歩、百歩、合わせて150歩」(足すな、足すな。)


   「しくじり。」(2012/3/29)

 昨日繁昌亭で、桂雀喜さんのジャンパーを間違えて着て帰ってしまいました。雀喜さんが帰ろうとするとジャンパーが無い。ちょっと似た感じの私のジャンパーが残っている。雀喜さんはそれを着て帰らず、寒い中シャツ姿で帰られたという。今日、繁昌亭へ行き、その事を報されるまで、全く気付きませんでした。ほんまに申し訳ない。雀喜さんが風邪をひいたら、私の責任。しかし、うっかりしすぎてます。

 写真は繁昌亭楽屋にて、左から紙切りの三遊亭絵馬さん、柳亭市馬さん、千田やすしさん、新治。


   「昨日は大変でした。」(2012/3/31)

 昨日の繁昌亭夜席、師匠の追善の会。たくさんのお客さまがお越し下さり大成功でした。特に、私の高校の同期生がたくさん駆けつけて戴き、感激しました。ただ、体調は最悪でした。昼席の高座後、朝からチクチクしていたおなかが猛烈に痛くなり、動けなくなりました。吐き気、頭痛、脂汗、血尿。昼席のお見送りもできず、楽屋で休んでいました。この分ではとても高座は無理という感じでした。去年のこの会は、ポリープ手術後で休み。今年も出られないかもしれないと思いました。幸い夜の追善公演はトリなので病院に行きました。時間が無いので、詳しい検査はできませんでしたが、多分「尿管結石」ということで、薬を戴き、急いで繁昌亭に戻りました。幸い楽屋へ戻った頃には、結石が動いたのか、痛みも峠を越え、高座はなんとか勤めることができました。しかし着替える直前まで楽屋で横になっているようなありさま。それが着物を着て帯を締めたら、なんとなく体がシャンとして、高座では痛みを忘れていました。満員のお客様の「気」に励まされたのか、元気になったのです。不思議なことです。ありがたい経験をさせて戴きました。駆けつけて戴きました皆様、本当にありがとうございます。願生ります。


生野高校21期、同期生からの楽屋お見舞い!ありがとうございます!



繁昌亭楽屋にて。
右から、あさ吉さん、八天さん、笑助さん、春蝶さん。

八天さんは、来年、七代目文都を襲名します。


林家染二さん


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