新型コロナウイルスの影響の記録
 まだ新型コロナウイルスが終息したわけではありませんが、落語会の再開にあたり、これまでのコロナ禍の影響をまとめてみました。
新ちゃんのへらへら日記より(抜粋)
 「キャンセル。」(2020/2/28)

 この二日間のキャンセルはすごかったです。人からしたら知れてますが、私にとって大きな打撃です。改めて、私らの仕事は弱い仕事で、そしてなんの保証もない仕事なんだと思い知らされました。昔、先輩が「あってもなかってもええ仕事や」と言っていました。阪神大震災で、そのことがよくわかりました。先ず必要なのは、水、食べ物、ライフライン。医療、交通、教育など。東北笑生会の活動も、被災者の生活がなんとかおちついたところでやらせてもろてます。世の中が「無事」でないとやれない仕事です。娯楽一般、みなそうですが「いのち」と「くらし」が穏やかにおちついていればこそ、私らが高座に上がらせて戴ける。仕事が流れ、収入もなくなり、高座にも上がれないのは、本当に辛いのですが、嘆いていても、何も進みません。そんな中、桂治門さんから、お稽古を頼まれました。彼は、私と一緒にいる時、キャンセル、それも四日間連続キャンセルの通知を受けました。笑顔で「こんな時こそ稽古を」という治門さんに教えられました。これから、どうなるか分かりません。どうなっても、自分と向き合い、精進し、落語ができる場を求めてゆきます。こんな弱い仕事ですが、私にはこれしかありません。逆に「こんな弱い仕事で、よお長いことやらせてもろたなあ」と思います。ありがたいです。
 「くれぐれもおきをつけて。」(2020/3/2)

 皆さま、くれぐれもご自愛ください。私もおかげさまで元気です。かつてこんな事態になったことはありません。仕事が根こそぎ無くなりました。初めての経験です。おかげで思い知らされました。「高座に上がることができるのは、当たり前のことではない。有難いことなんや。世の中が平和で、お客さまはじめ、世話人、スタッフの皆さまなど多くの方々のおかげで上がらせて戴いてたんや」と、はっきりわかりました。そして、私の立場が、本当に弱い立場だということもよくわかりました。頭ではわかっているつもりでしたが、違いました。今はほんまに正念場です。いろいろとしんどいですが、身を慎んで願生ります。地に足つけて、精進させて戴きます。願生。
「4月。」(2020/4/2)

 今日(4月2日)また一件仕事が流れました。もともと4月は仕事が少ないのですが、これで今月は、完全失業状態になりました。 3月6日の奈良古々粋亭の「ここいき亭なら露新落語会」から、高座に上がっていません。こんなことは初めての経験です。さらに、この状況がいつまで続くのか、先が見えません。つくづく弱い稼業です。コロナでこの状態ですから、戦争などとても無理です。世の中が平和なればこそ、やらせて戴ける仕事なのだとよく分かりました。
 咄家としては日々劣化しています。じっとしていて現状維持はありません。この自宅待機の期間をどう過ごすかで、この後の咄家人生が違ってきます。年を考えるとふと「このままなんとなく終わっていくのかな」と思ったりします。逆に「いやいや、このままでは終わるわけには」という気持ちもあります。
 私は、この期間を「我が身を振り返り、生き直す時間」にさせて戴きたいと思います。終活です。簡単には収まらないと思いますが、この騒ぎがいつか収束して世の中が動き出した時、自分がこの事態を乗り越えているのか? 無事でいるのか? いたとして何ができるのか? できなくなっているのか? 不安はいっぱいですが、なるべく前向きに生きてゆきたいと願っています。
 先日満員電車に乗りました。濃厚接触どころではありません。背中のリュックが邪魔で下に降ろしたほどです。仕事のために、リスクを覚悟で満員電車に乗らなければならない人がいっぱいおられる中で、「自宅待機」と言っている我が身の甘さを感じました。どなたも好き好んでラッシュの電車に乗っておられません。
 失業は辛いですが、自宅待機をさせて戴けるありがたさという面もあります。今日は、桂治門さんがお稽古に来てくれます。ほんまに助かります。咄家として機能できます。八方塞がりの状態ですが、気持ちで負けることなく、笑顔で生きていきます。そしてやれることを精一杯やらせて戴きます。皆さまも、ほんまにお気をつけ下さい。ご無事でいて下さいませ。そしてこの危機を乗り越えて下さいませ。お祈り致します。
 「袷からいきなり絽!105日ぶりの高座でした。」(2020/6/20)

 ありがとうごさいます。お支え戴きました方々に、先ずはお礼を申し上げます。3月6日の奈良・古々粋亭から、105日ぶりに高座に上がらせて戴きました。
 (3ヶ月延びた)第23回露新軽口噺。番組は、「兵庫船」・新幸、「お太刀の鍔」・新治、「写真タイム」・(飛び入り)文鹿、「ねずみ」・新治、(お中入り)、「胴乱の幸助」・新治。
 「お太刀の鍔」(東京は「雛鍔」)・「 ねずみ」は、共に五郎兵衛の型でネタおろしでした。「ねずみ」は、場所を仙台ではなく、関西の某所にし、全て大阪弁にしました。稽古不足でなめらかにしゃべることができませんでした。「胴乱の幸助」も、久しぶりの噺で、こちらもネタを飛ばしたり、反省点ばかりです。あたたかいお客様にお支え戴き、なんとか勤めさせて戴きました。まだまだコロナも安心できる状態でなく、私から「今回は無理をしないでください」とお願いした方もおられる中、手探り状態の開催でした。私自身久しぶりの外出で、電車に乗るのも緊張しました。けど動楽亭の楽屋に入り、訪ねて下さった桂文鹿師匠や三味線の薫子師匠、新幸や世話人さんらと話をしたり、ばたばたと用意をするうちに、だんだん気持ちが甦ってきました。高座に上がり、お客席を目にした時は、なんともいえないありがたい気分に包まれ、緊張感はありませんでした。余裕などありませんが「うけなければ、引き付けなければ」という気持ちもありませんでした。「笑わせねば」「受けさせねば」というのは、自分への過信かも知れません。お客様と向き合えた喜びに、スーっとお客席に、自分を投げ出すような気持ちになりました。ほんまになんの身構えもありませんでした。これは嬉しいことでした。
 今回、高座が根こそぎ無くなってショックでしたが、おかげで気づかせて戴いたことがあります。高座に上がらせて戴くことは、当たり前のことではなく「有り難い」ことなんや。自分の力ではなく、いろんな人たちの落語と落語家への思いのおかげなんだと実感しました。これは全ての咄家が感じたと思います。コロナは災いでしかありませんが、そこから学んだことは大きいと思います。私もこの気持ちを忘れず、精進させて戴きます。今はありがたいという気持ちでいっぱいです。咄家人生も晩年になってのこんな経験は、大事なことに気づかせて戴く最後のチャンスかと思います。今は自分を振り返り、気持ちを引き締め、修行をさせて戴く時だと思います。今月の高座はこれだけで、また自宅待機が続きます。時間だけは十分にあります。リスクを乗り越え寄席に足を運んで戴くお客様に感謝し、修行をさせてもらいます。来て戴いた方々、来れなかったけど心を寄せて戴いた方々。皆さまにお礼を申し上げます。ありがとうございました。
詳細は「へらへら日記」のページより、過去の日記をご覧ください。

中止や延期になった落語会の一覧
 新型コロナウイルス感染症の関係で、次の催しが中止になっています。なお最新状況は、ツイッター、フェイスブックでもお知らせしています。「露の新治」で検索してみてください。


 ● 2月28日(金)梅まつり(三重県 ライトピアおおやまだ)
 ● 2月29日(土)心斎橋 質屋寄席(大阪市中央区 大質ビル5階
 ● 3月 1日(日)あったか寄席(島根県雲南市 加茂教育集会所)
 ● 3月 7日(土)日中友好お笑い高座(香川県 国際交流会館アイパル香川)
 ● 3月 7日(土)露の新治寄席(香川県 人形劇場とらまる座)
 ● 3月 8日(日)露の新治寄席(香川県 綾坂地区営農センター)
 ● 3月 9日(月)~15日(日)繁昌亭昼席(大阪市北区)
 ● 3月13日(金)露新軽口噺(大阪市西成区 動楽亭)
 ● 3月30日(月)露の五郎兵衛一門会(大阪市北区 天満天神繁昌亭)
 ● 4月11日(土)三田落語会(東京都港区 文化放送メディアプラスホール)
 ● 4月 4日(土)露の新治寄席(大阪府大東市 野崎まいり公園ホール)
 ● 4月11日(土)三田落語会(東京都港区 文化放送メディアプラスホール)
 ● 4月17日(金)露新軽口噺(大阪市西成区 動楽亭)
 ● 4月18日(土)
逆瀬川寄席(兵庫県宝塚市)→9月19日(土)へ
 ● 4月26日(日)
神能殿寄席(兵庫県神戸市 湊川神社)→9月12日(土)へ
 ● 5月 1日(金)ここいき亭なら露新落語会(奈良県奈良市)
 ● 5月 2日(土)芸人九条の会(大阪市東成区 東成区民センター)
 ● 5月 3日(日)門戸寄席露新落語会(兵庫県西宮市 じゅとう屋)
 ● 5月10日(日)長徳寺寄席(静岡県浜松市 長徳寺)
 ● 5月15日(金)露新軽口噺(大阪市西成区 動楽亭)
 ● 5月17日(日)常蓮寺寄席(奈良県奈良市 常蓮寺)→11月15日(日)へ
 ● 5月17日(日)満徳寺寄席(静岡県磐田市 満徳寺)
 ● 6月 6日(土)
敦賀落語会(福井県敦賀市)→秋以降へ
 ● 6月21日(日)蒲郡落語を聴く会(愛知県蒲郡市 生きがいセンター)


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