中国語落語第2弾 「ごんべえ狸」

中国帰国者日本語発表会

神奈川県横浜市 かながわ平和祈念館

2010年3月21日(日)


 中国語落語二席目「ごんべえ狸」・横浜公演。おかげさまで大成功でした。聞いて戴いた中国帰国者の皆さんからも、「とてもおもしろかったです。」「落語先生は中国語じょうずですね。楽しかったです。」そして「私も日本語の勉強ががんばらなくてならないと思います」とありがたい感想を戴きました。
 私の語学力はまだまだ初級ですが、中国人の先生に手直しして戴いた原稿をまる暗記して、あとは芸人のずうずうしさで、乗り切りました。去年7月に上海公演したことも自信につながりました。元気に生きて、ちょびちょびでも努力していれば、夢は叶うということを、この年で初めて実感させてもらいました。(ほんまになにをしても中途半端な私でしたので)
 ところでこの中国語落語、聞き手は「中国人」と思っている方がおられますが、全員、日本人か、日本人系の中国籍の方です。ですから「帰国者」なのです。ほとんどが「満蒙開拓団」関係の残留邦人やその家族の方。戦争の犠牲者です。日本へ帰国され、定住されようとしてまずぶち当たるのが、言葉の壁。その支援をするのが、今回の主催者「神奈川中国帰国者定住サポートの会」です。昔はこんな支援組織はありませんでした。それで夜間中学が、『戦争責任の問題として』受け入れているのです。奈良の夜間中学にもたくさんの方が来られています。春日夜間中学の依頼で落語をやった時、大勢の中国帰国者を相手に中国語で前説をしたのが、中国語落語の最初です。できれば、夜間中学で中国語落語公演を実現したいものです。それが33年前、奈良夜間中学でちゃんと勉強してなかったためお役に立てなかった、帰国者の紅(ホン)ちゃんへの、せめてものお詫びになるかと思います。
(奈良中企連機関紙「ハロー」4月号より)

 昨年に続き、行って来ました!日本語発表会での中国語落語公演。「ごんべえ狸」は大好きな演目なので楽しみにしてました。
 新治師匠は今回もたくさんの紙を用意されてました。今回も落語に出てくる古い様式や言いまわ
しを文字や絵を交えてお話されました。

 私は中国語がわからないので、まくらは何をおっしゃてるかわかりませんでしたが、なんとなくはわかりました。お客さんは大いに受けてました! 皆さんすんなり落語の世界に入り、しっかり耳を傾けてました。

 中国語落語の後は、日本語で「相撲風景」を。日本語を学習されているといってもレベルが様々なようで、中国語を交えないと理解できない方も多くいましたが、私が中国語のまくらを理解したように、なんとなくは理解されたようで、お酒(実は・・・)を飲もうとする場面は大いに盛り上がりました。オレンジの着物がまぶしい新治師匠は、汗をぬぐいながらの熱演。最後にはたくさんの拍手をいただきました。

 今年も、落語の後は生徒さん方によるヤンガー(中国の農村の踊り)が披露されました。

 新治師匠、ありがとうございました!!

(東京都練馬区 かおる特派員)


 新治さんの中国語落語「ごんべえ狸」〜聞きましたぁ、見ましたぁ、行ってきましたぁ。 私には、中国語はちんぷんかんぷんでしたが、新治さんの表情・しぐさ・見る落語は身体で理解でき、楽しい時間を中国帰国者の皆さんと共に過ごさせていただきました。
 
ここは流暢な中国語が飛び交う中、たどたどしい日本語の空間です。その中で、私は異国の人になりました。楽しく歌や詩、お話・寸劇、そして踊りと日本語を学ばれている皆さんの発表されている姿を拝見しながら、戦後の残された課題の一つであること、また、この皆さん達が住みやすいまちにするために私が出来ることは何かを問われている一日でした。
 
昼食時、私の席の後ろにおられたご婦人に声掛けをし、輪ゴムを使って簡単なマジック(?)をして遊びをし喜んでいただきました。すると次に、午後の演者の「露の新治師匠」の文字の意味をたどたどしい日本語で尋ねられましたので、筆談で姓・名、職名(?)の説明をしてミニ日本語教室を終了。瞬間、瞬間の生きる言葉を学んでおられる姿に感動をしました。日本人でありながら日本語の獲得に苦労されているこの史実を知り、無関心でいることは、住みにくい社会を温存している一人なんだと気付かされた一日でした。
 
今日の新治さんの中国語落語によって会場の皆さんは、「笑い」で生きるエネルギーにスイッチオン間違いなしです。

(滋賀県草津市 Y特派員)


 中国語落語、素晴らしかったです。私のような中国語がわからないものでも、表情などで笑ってしまいましたし、言葉がわかる方は、さすがに笑いの反応が素早かったですね。私も含め、みんな大笑いさせていただきました。慣れ親しんだ言語で語られた「落語」に、参加者の皆さんは、リラックスできる楽しいひと時を持たれたのではないでしょうか? 来年も、ぜひ参加したいと思いました。ありがとうございました。

(滋賀県のU特派員)


(2010.3.21) 「日本語発表会。」

 今日は中国語落語第2弾、「ごんべえ狸」初演の日。台風の影響も受けず、無事に横浜へ着きました。朝から、中国帰国者の方々が日本語に取り組んでいます。映画「男はつらいよ」のシーンを写し、アフレコにチャレンジなど、中味も多彩。
 日本語発表会プログラムには、
歌「岬めぐり」、「涙そうそう」、「明日があるさ」、お話「つるの恩返し」、詩の朗読「二度とない人生だから・坂村真民」、踊り「炭坑節」など。レベルも高い。
 私も願生らねば!こんな場を与えて戴き、本当にありがたいです。


日本の炭坑節にも挑戦! 
炭坑節で盛り上がります。

 中国語落語、「ごんべえ狸は」、本当にうまくゆきました! 元気で生きて、コツコツやっていれば、必ず夢は叶う。そんな気持ちになれたことが、最大の収穫です! 願生ります!

帰りの車窓から。

(新治)


Youtubeで、私の中国語落語の一部をご覧いただけます。こちらからご覧ください。

 先日ははるばる横浜までお越しいただきありがとうございました。私たち一同、師匠の落語を存分に楽しませていただきました。お礼がすっかり遅くなってしまい申し訳ありません。生徒たちから師匠の落語に対する感想が集まりましたのでご報告いたします。原文のまま書き写しましたので少々おかしなところもありますが、ご一読ください。
--感想--

・落語は中国語ではなすのは難しいと思いますが、そんなにじょうずでした。
 私も日本語の勉強ががんばらなくてならないと思います。
・とてもおもしろかったです。
・落語の先生は中国語とてもじょうずです。びっくりしました。
・たのしいでした。
・落語先生は中国語じょうずですね。楽しかったです。
・最初の話は面白かったが、あとの話はちょっと聞いて恥ずかしくなった。
・動きがおもしろかった。
・日本語の話はわからなかった。
・先生たちの言葉とちょっと違う。
・中国語去年よりじょうずだった。
 
日本語で書いてもらったために言いたいことがうまく表現できなかったようですが、皆とても楽しんでいました。本当にありがとうございました。謝謝!
神奈川中国帰国者定住サポートの会
(旧・神奈川県中国帰国者自立研修センター)


中国語落語の感想、ありがとうございました。
 生徒の皆さんのご感想、ありがたく、うれしく読ませていただきました。
 「とてもおもしろかったです。たのしいでした。」と、芸人にとって何よりのほめ言葉を戴きました。
 そして「中国語去年よりじょうずだった。」とほめていただき、「ちょっとは進歩したんかな」と嬉しくなりました。
 「最初の話は面白かったが、あとの話はちょっと聞いて恥ずかしくなった」というのは、相撲風景の「おしっこのところ」ですね。下ネタで申し訳ありません。下ネタやバレネタ(艶噺)はあっさりやらないといけませんね。私はとくに、えぐるほうなので、失礼しました。
  「先生たちの言葉とちょっと違う。」一番心配した部分です。私の言葉は、関西弁で、先生方の言葉や皆さんが学んでおられるのは、共通語です。これからの課題ですね。
「私も日本語の勉強ががんばらなくてならないと思います。」こんなご感想をいただき、幸せな気持ちになりました。語学はほんとうに難しく、しんどいものですが、通じた時の喜びは、なんとも言えずうれしいものです。皆様のおかげで実感させていただきました。これを、励みになおいっそう精進します。今はまだ、覚えたものを話すだけですが、いずれは、アドリブもいれられるようになりたいものです。願生ります。ありがとうございました。
(新治)

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