大阪市立東生野中学校夜間学級

お笑い人権寄席
2010年11月5日
大阪市立東生野中学校夜間学級


「母校・大阪市立東生野中学校。」

 近鉄今里にある私の母校、東生野中学校。ここには、大阪市内で一番新しい夜間学級があり、今日はそこの文化祭です。浪花の歌う巨人、趙博さん(パギヤン)、男前太神楽曲芸師、豊来家玉之助、私の三人で盛り上げました。学外からも参加希望があり、喜んでいます。


 なんとも言えない懐かしさを感じます。ここに、3年生24クラス、2年生12クラス。1年生12クラスの、計48クラス2400人が、毎日通っていました。1、2年生が少ないのは、新生野中学ができて、東小路小学校の生徒各6クラスがそちらへ行ったため。それがなければ、あと12クラス増えているところです。考えたらすさまじい状態。運動会や朝礼なんか、どないしたんやろと思います。私らは何も考えずに、元気でした。東野圭吾という人気作家は、後輩に当たります。彼が、私らの学年をテーマにした小説を書いていますが、デフォルメしすぎで、読んでいていやになりました。


 東生野中学のそばを、城東運河が流れています。川の中にサギを見つけました。昔はメタンガスがブクブクと吹きだす、泥の川でしたが、かなりきれいになったようです。

(新治)

中学校からの報告より
 先日は本校夜間学級の芸術鑑賞会にご出演いただき、ありがとうございました。とても充実した内容で感謝の気持ちでいっぱいです。本校夜間学級は開設14年になりますが、人権学習が系統的に学習できるようになってまだ3年目です。その最初の頃から、ぜひ露の新治さんに来ていただいて、人権高座を生徒さんに聴いて欲しいと計画してきました。生徒さんたちは、学べなかった事情も様々で、今までの人生での苦労などちょっとやそっとでは語れない、口と体で生き抜いてきた方たちばかり。露の新治さんの人権高座で、苦労を笑い飛ばしながら、学びの中で自尊感情を高めて欲しいと願って企画しました。

 当日の生徒さんたち・・・まあ、よく笑ったこと!地元ネタでつかみもばっちり!以下、生徒さんの感想です。「腹の底から笑ったのは久しぶりやった」「30年分笑った」「笑いすぎて、涙出たわ」「時間を忘れるくらい面白かった」「手が痛くなるほど叩いた」「ことばがはっきり解らない(日本語の理解としてだと思います)ところがあったけど、表情がうまくて笑えた」「あんだけ笑ったら、病気治るわ」「わかりやすい内容でとても楽しかった」「食べ物を食べている様子が、目に浮かぶように上手で、本当にすごいと思った」「芋が食べたくなった」(わたしの後部席の生徒さんも「おいしそうやわ〜」としみじみ言ってました。)
 そして、かつてのお向かいさんとの再会。始まる前から、「この人、昔、家の前に住んでた人やとおもうんねんけどなあ〜」とおっしゃってました。この方が教室で「終わってから、子どもが韓国人と結婚したと言いに来てくれて、すごいうれしかった!」と話されていました。
 職員の中で、今までに露の新治さんの人権高座を見たことがある人は校長と私ともう一人だけ。ほとんどの職員がはじめてです。職員の感想です。
 「もっと固い話かと思いきや、よくもあそこまで笑わせてくれた。しかも大事なことを交えながら・・・」「笑いの中にも人権のエッセンスが含まれていてよかったです。」「人を引きつけながら、たくみに人権や差別について関心をもたせることができたと思う」「思った以上に生徒さんが喜んでおられた」「初めて生で落語を見たけど、とても楽しく本当によく笑わせてもらいました」
 86才になる卒業生。家が学校の前なので、手押し車を押しながら見に来ました。終わってから「握手してもろてん!」とまるで10代の少女のような笑顔で帰って行かれました。
 そして趙博さんの歌。生徒さんたちは朝鮮語なまりの「ヨイトマケの歌」に、それぞれの思いがあったようです。「『ヨイトマケの歌』は感動して涙が出てきた。」(いつも冗談ばっかり言ってる男性の生徒さんが、しみじみ言ってたそうです)「『ヨイトマケの歌』を聴いて自分の親や祖父母を思い出した」「ヨイトマケのなまり・・・私らが日本に来たときは大人はみんなあんなしゃべりかたをしていた。懐かしかった。」「なまりの歌は在日にしか解らないだろう・・・涙が出た」「最初のアリランを聴いて、昔見た悲しい映画を思い出し、涙が止まらなかった」趙博さんだからこそ伝わるものがあったんだと思います。職員の中でも絶賛でした。「『ヨイトマケの歌』を聴いている生徒さんの表情が印象的でした」「授業で教材として使ってみようかな」という声もありました。
 続いて豊来家玉之助さんの太神楽曲芸。目の前で見る曲芸はやっぱり圧巻!中でも生徒さんたちは「獅子舞」がお気に入りだったようです。「獅子舞も曲芸も面白かった」「獅子舞はとても懐かしかった」なかには「獅子舞が私のとこまで来てくれなくて、残念だった」とつぶやく声も・・・玉之助さんには、準備段階から音声等いろいろとお世話になり感謝しています。ありがとうございました。これを見た人はたくさんの福をもらって寿命が延びそうです!
 最後にある生徒さんの感想です。「『自分を高めて生きていこう』て、授業と同じこと言うてはった」漢字一つ覚えてもすぐ忘れるという生徒さんたち。授業で学んだことがこうやってしっかり生きている、つながっていると思いました。これが学びの成果だと思います。
 今回、趙博さん、豊来家玉之助さんというすてきなゲストと一緒に来ていただいて、楽しい時間を過ごさせていただきました。ただ楽しかっただけでなく、この機会に生徒さんたちのこれまでの経験や思いを共有できるような場にしたい、そういう学校を作って行きたいと思いました。私たちも「願生り」マス!ほんとうにありがとうございました。趙博さん・玉之助さんにもよろしくお伝えください。

(大阪市立東生野中学校夜間学級  KA様)

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