第10回 べっぴん寄席
島根県浜田市立石見(いわみ)公民館
(2014年11月23日)
第10回 べっぴん寄席
今年で第10回を迎える、島根県浜田市の「べっぴん寄席」。同じ島根県は雲南市の「あったか寄席」とともに、同和問題を中心に据えた人権寄席として定着してきています。旅行のついでに・・・じゃなかった、べっぴん寄席のついでに旅行も兼ねて、お邪魔してきました。昼食を食べに寄った食堂に置いてあった新聞で、べっぴん寄席の告知を発見! ボリュームたっぷりの昼食を食べ、「落語家の前で居眠りをすると取り返しのつかない病気になる」のを心配しながら、会場の浜田市立石見(いわみ)公民館に向かいました。
べっぴん寄席は、浜田市立石見(いわみ)公民館の館長さんのご挨拶に続き、新治さんのミニお笑い人権高座から、江嶋修作さんのお話にリレーし、続いて新治さんの落語「まめだ」でお中入り。会場を少し広くして、後半は伏見龍水さんの曲独楽からスタート、続いて新治さんと江嶋修作さんのトーク「狭山差別事件」、最後はお楽しみ抽選会でお開きとなりました。雲南市のはんどばっくの会のみなさん、そして私より遠くは滋賀県のYさんも参加されていたとか。頭が下がります。
新聞の告知記事 | 会場の石見公民館 | 新治さんのミニ人権高座 |
江嶋修作さん | 新治さんの落語「まめだ」 | 伏見龍水さんの曲独楽 |
新治さん、江嶋さんのトーク | お楽しみ抽選会 | お疲れさまでした。 |
【2014.11.23 MORI】
第10回 べっぴん寄席 報告写真集
江嶋修作さん、伏見龍水さん、新治さんには、第10回べっぴん寄席にご出演いただきありがとうございました。寄席には約60名の皆さまにおいでいただき、盛会のうちに終えることができました。お笑い人権高座と落語は、いつもながら新治さんの笑いの中に鋭くご指摘いただき納得の1時間でした。江嶋修作さんには、これまで正しいことばかり、あるいはもっともらしいへ理屈ばかり言い過ぎた人権教育への問題点を篤くお話いただきました。伏見龍水さんの独楽の曲芸は、ほぼ全員が初めてという珍しい公演に、驚いたり感心したりでした。ご出演いただいたお3方をはじめ、おいでいただいた皆さまにお礼を申し上げます。そして、次回も楽しくてチョッと人権について考えていただける寄席となりますよう願生ります。ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。
お客様を待つ高座と会場受付け |
実は高座の中身はこんなになっています。会場にヤマ台がなかったので、最後の二人トークでは、上部のビールケースとコンパネ部分をヤマ台に転用しました。受付けでは、会員が製作したマスコットも、皆さまをお迎えしました。
お客様を待つ正面玄関 | 「ミニお笑い人権高座」新治さん |
まずは演台での講演(口演)です。ミニといいながら20分。「ご先祖様は、皆ダブりまくり。それでお互いを差別し会うてどないします。そんなんナンセンス。お互い笑顔で暮らしましょう。」
講演「人権教育のひずみ」 江嶋修作さん |
これまでの人権教育は、正しいことばかり、あるいはもっともらしいへ理屈ばかり言い過ぎてきた。なのに、ラインを使っての誹謗中傷や原発問題など、差別はどんどん多様化してきている。子どもたちをはじめとする次世代に、どんな人権メッセージを発信していけるのか大人は、親は問われている、と人権教育への課題を篤くお話いただきました。
落語「まめだ」 新治さん |
三津寺の門前の膏薬屋「本家びっくり膏」の息子で歌舞伎の大部屋役者(端役役者)の右三郎と豆狸(まめだ:子だぬき)のエピソード。秋らしく「銀杏の葉っぱ」が重要な鍵となります。民話の香りのする人情噺でした。
「古典曲独楽」 伏見龍水さん |
お待ちかね、伏見龍水さんが浜田市初登場です。上方曲独楽師の生息数は10名ほど、超絶滅危惧種のおひとりです。
まずは超々ミニけん玉でご機嫌伺い。右手親指と人差し指の指先にご注目ください。「緊張する割に地味な芸なんです。」
キセルの先の独楽を自由に操る龍水さん。よく見ると、舞台袖には携帯を掲げるおなじみの後ろ姿が‥‥
独楽が剣先に | バランスをとりながら独楽が扇の先に |
トーク「狭山事件」 江嶋修作さん、露の新治さん |
最後は、江嶋先生、新治さんの二人トーク「狭山事件」と「狭山差別事件」。1963年(昭和38年)5月1日、埼玉県狭山市で女子高校生が学校帰りに行方不明となり、その夜、身代金を要求する脅迫状が届けられた。5月3日、警察は身代金を受け取りにきた犯人を取り逃がし、翌4日、女子高校生の遺体が発見されたのが「狭山事件」。警察は市内の被差別部落に見込み捜査を行い、5月23日早朝、石川一雄さんを別件逮捕した。石川さんは無実を訴え続けたが、取調官の「おまえが犯人と認めたら兄を見逃してやる。おまえも1ヶ月で放免してやる。」などの言葉にのせられ、ウソの自白をしてしまう。その後、架空の「自白」をでっち上げ、犯人として起訴された。部落差別による貧しさからほとんど学校に行けなかった石川さんは事件当時、文字を書いたり文章を作ったりする能力がほとんどなかった。部落差別による貧困で学校に通えなかった石川さんを犯人にねつ造したえん罪事件が「狭山差別事件」。裁判所に上申書を3回も書かれた江嶋先生と新治さんの、笑いの中に込められた篤い訴えに、会場も引き込まれていきました。
ありがとうございます。第11回べっぴん寄席もよりよい会となりますよう願生ります!!!
【2014.11.23 島根県浜田市 べっぴん様】
第十回べっぴん寄席。
今年で第10回目を迎える「べっぴん寄席」。番組は、「前説」・新治、「講演」・江嶋修作、落語「まめだ」・新治、(お中入り)、「曲ごま」・伏見龍水、トーク「狭山事件」・江嶋修作、新治。最後はお楽しみ抽選会。
【2014.11.23 新治】
(ブラウザの「戻る」ボタンで戻ってください)