2010年9月19日
大阪市北区 シアター・ドラマシティ
19日の「朝日東西名人会」は、私にとって本当にありがたい会でした。元来「名人会」などというものに私が出ることなど、予想もしていませんでした。プロダクションに一切所属せずフリーでやってきた私は、メジャーな落語会とは無縁と思っていました。上方落語界でも浮いた存在。唯一「NHK上方落語会」だけが華やかな場でした。それが今回ありがたくも出番を戴き、本当に夢のようでした。さん喬師匠と二人会をやらせて戴いたことが、目にとまったんだと思います。さん喬師匠のおかげです。
私にとっては大イベントなので、チラシをあちこち配りました。「新ちゃんが、名人会に!」と喜んで戴きたかったからです。反響はすごかったです。私に依頼されたチケットだけで86枚。ネットで買ったと連絡を戴いた方が10人以上。新聞にも大きく取り上げてもらい、電話もたくさん戴きました。
当日楽屋入りして驚きました。大きなお花が二つ! そして続々と届く楽屋見舞い。独演会でもこんなに貰ったことはありません。皆さん私の「初出演」を喜んで戴いているのです。他の出演者の方は、「名人会なれ」している人ばかりで、実にたんたんとしたものでした。私一人がお祭り騒ぎ。熊本、佐賀、鳥取、香川、東京と遠方から駆けつけてくれた方、お彼岸の前で忙しいのにきて戴いたお寺の方、高校の同期、親戚、等々。ほんまにありがたい限りでした。
楽屋着の浴衣に着替えるまもなく、バタバタしているうちにもう開演。染弥さんが上がりました。マクラから笑い声が。ホッとしました。おそらく出演者や関係者全員がホッとしたと思います。次が東京の志ん輔師匠。師匠五郎兵衛のお供で、鈴本や国立で何度もご一緒させていただいているので、気楽に話ができます。師匠のおかげです。
そして、中トリに仁鶴師匠。私が始めて落語家を意識した存在です。高校時代、深夜放送のアイドル。すさまじい人気でした。放送が水曜日の午前2時から。それで火曜日の夕方から仮眠をとって、目覚ましで起きて聞いたものです。おかげで、水曜日の朝が辛かった。けど学校へ行くと「仁鶴の話」でもちきり。あの頃素人名人会は「仁鶴のレコードで覚えた初天神」ばっかりでした。初めて自分のお金で買ったレコードが「おばちゃんのブルース」という人もいました。仁鶴師匠が出なかったら、私は落語家になっていなかったと思います。そしてそんな人も多いと思います。繁昌亭でご一緒させて戴いたことはありますが、名人会で同じ高座を勤めるとはおもいませんでした。なんともいえぬ感慨がありました。
中入りを挟んで、いよいよ出番。顔を出すなり、すごい声援。驚き、喜び、感激しました。もっと緊張するかと思いましたが意外に落ちついて話せました。もっとも、客席からはどう見えていたかわかりませんが。狼講釈は何度もやっているので、とちりませんでしたが、ちょっとマクラを長くやってしまい、持ち時間をオーバー。終わっての拍手もすごかったので、手ごたえを感じながら下がりました。
さん喬師匠が上がるのを見送り、楽屋へ。応援に来てくれた団四郎兄と握手。着替えて、さん喬師匠の高座を舞台袖から拝見。吸い込まれてしまいました。あの、文七元結はすごかった。さっきまで自分が上がっていた同じ高座と思えませんでした。
終わって、繁昌亭のようにお客様をお見送り。意外な人が来てくれていたりして、またびっくり。ありがたい、ありがたい一日でした。元気に生きて、ちょっとづつでも願生っていたら、たまに夢は叶うのですね。これからも、ちょびちょび願生ります!元気に生きてゆきます!
(新治)
我らが新治さんも、ようやく名人の仲間入り! 第16回朝日東西名人寄席。番組は「天災」・林家染弥、「豊竹屋」・古今亭志ん輔、「崇徳院」・笑福亭仁鶴、(中入り)、「狼講釈」・露の新治、「文七元結」・柳家さん喬。会場のシアター・ドラマシティには、かつての新治会の会員のみなさんもたくさんお越しいただき、盛り上げていただきました。
会場のシアター・ドラマシティは、この梅田芸術劇場の地下になります。入口がちょっとややこしい?
開場と同時に、どこからとなく行列ができ、行列が途切れることがありません。全席指定のため、皆さん落ち着いておられます。急いでも一緒ですから。
さて、落語会の様子をお知らせしたいところですが、写真撮影は禁止されているので、残念ながらお知らせすることができません。あしからずご了承ください。ということで、雰囲気だけお楽しみください。開演前の会場の様子です。
まずは林家染弥さんが「天災」でご機嫌を伺います。ただ染弥さんがいい男すぎです。ざこばさんの「天災」を超えるには、やはりあのハチャメチャなキャラが必要かと・・・。
続いて古今亭志ん輔さん「豊竹屋」。ほのぼのとしたまくらの話で笑いを誘い、本題へ。浄瑠璃(義太夫)がなかなかお上手で(当たりまえ?)、ついつい聞き入ってしまいました。チラシの写真では気が付きませんでしたが、NHKの子ども番組にも出ておられたことを思い出しました。
中トリは、笑福亭仁鶴師匠。もう、小さい頃からテレビで見てきました。考えてみると、ご本人を見るのは初めてです。子どもの頃にテレビで見て、いまだにテレビで活躍しておられる、数少ない落語家さんです。仁鶴さんは、しゃべるだけで面白い、不思議な方です。落語はひょうひょうとした雰囲気で、ベテランの味。
中入り後は、いよいよ新治さんの登場です。「待ってました!」の掛け声で、場内は一層盛り上がります。まくらはいつもながら、会場全体が大爆笑。お客さんの心をグッとひきつけて、「狼講釈」。新治ファンにはおなじみですが、珍しいネタですので、初めての方には笑うツボがちょっと難しかったでしょうか。それでも後半になるほど爆笑が大きくなり、終わって大きな拍手が沸き起こりました。新治さんが舞台から出られても、しばらく、会場にどよめきのような余韻が残っていました。
トリは、これまた新治ファンにはおなじみの柳家さん喬師匠。さん喬師匠にも会場から声がかかります。出し物は「文七元結」という、やや長い人情噺ですが、時間を忘れて聞き入りました。場面場面の情景が浮かんできます。まるで一人芝居というか、ドラマでも見ているような感じです。さすがはさん喬師匠。終わって、お客さんを見送る新治さん。いつもファンサービスを忘れないところは、さすがです。各地から来られた新治ファンと、久しぶりに親交を深めておられました。
(MORI)
みなさまからのおたより
内容濃く、面白かったですね!新治師匠の高テンションに、志ん輔師匠ユニークで、さん喬師匠の「文七元結」には泣かされました。大衆演劇の座長も目を向けるシ〜ンは さすがですね!【2010.9.19 インディ様】
5月の繁昌亭の会に行けなかったので、今回の名人会は逃せない!とばかりにうかがいました! 名人への仲間入り、おめでとうございます☆(私の中ではとっくに名人ですが!!)しかもさん喬師匠とご一緒とは、本当にご縁がありますね!?
染弥→志ん輔→仁鶴(敬称略)と、前半もたいへん盛り上がり、とても良い流れでした☆ 中入り後は客席も落ち着かず、ちょっとドキドキしましたが、新治師匠が出てきた瞬間、その鮮やかな着物に目が釘付けです! 袴もつけられてバッチリ決まってました。毛生え薬のまくらから、会場は爆笑につぐ爆笑。一気に客席があたたまりました。私は狼講釈を聴くのは、昨年3月のらくごカフェ以来です! 会場によっては「はめもの」がありませんが、今回はもちろん「はめもの」も入り、賑やかで上方落語らしい雰囲気でした☆(仁鶴師匠は「はめもの」がありませんでしたから、新治師匠だけですね)。「とっぷーん」とお風呂に入る場面、賑やかなお囃子の中、森を駆け抜ける場面、狼の群れを発見する場面(新治師匠の落語は景色の明暗が見えます!)、講釈以外にもお気に入りのシーンがたくさんあります。講釈の場面はすごい勢い!圧倒される方もいれば、私の隣のおじさんは足をバタバタして笑ってました。新聞記事でもおっしゃっていたように、タイムリーなネタも放り込んで、圧巻でした!!新治師匠が高座を下りた後も、しばらくは会場がどよめいてましたよ。次に上がったさん喬師匠も「すごかったですね。狼講釈・・・どうしたらあんなのが出来るんでしょう。わかりません」と触れずにはいられなかった様子。数年前の浦和市民寄席の時も、さん喬師匠は狼講釈のその盛り上がりに驚いて「あんなに盛り上がると、後の私がやりずらい、帰っちゃおうかと思いましたよ」とおっしゃってましたね。
たまたま知り合いの記者が会場にいらしてたのですが「新治師匠、とても良かったですね!!」と絶賛してくださり、ファンとして大変誇らしく思いました!!評判も上々のようですし、これでもっと新治師匠に注目が集まることと期待しています!!名人会デビューは大成功!!おめでとうございます!
【2010.9.22 東京都 SK様】
先日お友達と、新治師匠の朝日東西名人会に行ってきました。すごくよかったです!師匠が、光り輝いて見えました。終わった後も、余韻が、ずーっと残って忘れることができませんでした。【2010.10.3 大阪市浪速区 ふくふく様】
Twitterより
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて朝日東西名人会終わりました。露の新治さんの狼講釈、圧倒されました。
露の新治さんの落語、初めて聞きました。勢いがあって良かったです。
東西名人会露の新治さん「狼講釈」はただただ圧巻。「狼講釈」やる人少ないと聞いてたけど、この凄さを目の当たりにして納得です。
シアタードラマシティーで落語を楽しんできました。やっぱり露の新治さんは面白い!
朝日東西名人会、仁鶴師匠の崇徳院や新治師匠の珍しい噺、狼講釈など満足した。
朝日東西名人会。父が代わりに行ってくれて、「露の新治の『狼講釈』は絶品やったし、皆それなりに力入ってて良かったわ〜」と満足気に帰ってきてくれた。
資料
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